チャイルドシートは体格や年齢に合わせて選択するべきだ
県をまたいでの外出が自粛解除になり、そろそろドライブ旅行を計画している人も多いのではないでしょうか? とくに小さな子供がいるファミリーにとっては、ドアツードアで出かけられるクルマの旅は、何かと便利で助かりますよね。
ただ、そんなときに絶対に忘れちゃいけないものが、チャイルドシートです。クルマについているシートベルトは、大人が使用することを前提に作られていますので、身長が低く、まだ骨格が発達途中でもろい子供がそのまま使っても、本来シートベルトが果たすべき安全性能が正しく発揮されないどころか、逆に危険を招いてしまうこともあるんです。
乗車中の交通事故による致死率を見てみても、チャイルドシートを着用していた子供と比べて、チャイルドシート不使用の子供の致死率はじつに16倍(警察庁/平成29年中 自動車同乗中のチャイルドシート使用有無別致死率)にもなってしまうんです。よく、「子供が嫌がるから」と言ってチャイルドシートを装着しない保護者がいますが、大切な命を失うかもしれないと考えたら、少しくらいグズられたって、装着してあげるのが本物の愛情だと思います。
さて、とは言ってもチャイルドシートっていろいろあるので、どれを選んでいいかわからない、という人もいますよね。そこで今回は難しいことは抜きにして、最低でも必ずチェックしてほしいポイントを3つだけお伝えしたいと思います。
1)子供の身長、体重に合わせたものを選ぶ
1つ目は、子供の身長・体重で選ぶこと。チャイルドシートには大きく分けて、新生児・乳児用のベビーシート、幼児用のチャイルドシート、学童用のジュニアシートがあります。製品によって、ベビーシートとチャイルドシートを兼用できるもの、チャイルドシートとジュニアシートを兼用できるものなどがあって、主流なのは新生児~身長100cm・体重15kg(3~4歳)くらいまでを兼用で使い、100cm・15kgを超えたらジュニアシートに切り替えるという使い方です。子供の成長に合った製品を使わなければ、チャイルドシート本来の安全性能は発揮できませんので、必ず身長・体重が合っているものを選んでくださいね。
安全基準やクルマに適合した子供用シートを選ぶ必要がある
2)クルマに適合しているかチェックする
2つ目は、チャイルドシートを装着するクルマに適合しているものを選ぶこと。これはチャイルドシートを製造している会社のWebサイトなどを見ると、適合表が掲載されていますので、車種と照らし合わせてしっかり確認しましょう。そして、取り付け方法にも従来の主流だったシートベルト固定式と、車両側に設置されたアンカーにチャイルドシート側のコネクターを挿し込むことで簡単確実に固定できる、国際基準のISOFIX(アイソフィックス)があって、日本では2012年7月以降に発売された新型車から車両側のISOFIX対応が義務化され、現在はこちらが主流になりつつあります。

シートベルト固定式よりもISOFIXの方が簡単確実に装着でき、必要ない場合の取り外しも手間がかからないので、クルマに適合しているチャイルドシートのなかにISOFIXがあれば、そちらを選ぶことをオススメします。
3)Eマークが添付されているかを確認
3つ目は、チャイルドシート本体に「Eマーク」が添付されていることを必ず確認することです。
以上の3つが、最低でもチェックしてほしいポイントです。そしてもし余裕があれば、Webサイトなどで公開されている「チャイルドシートアセスメント」を見てみるといいでしょう。これは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が独自に前面衝突試験と使用性についての評価試験を行っているもので、実際の事故の衝撃と同じようなダメージを与えて、チャイルドシートの破損状態や子供のダミー人形の頭部や胸部にどのぐらいの損傷が起こるのかなどをテストして、採点しているのです。

また、着座のさせやすさ、クルマへの装着性といった、使い勝手に関する面でも採点されているので、とても参考になると思います。ママ友の口コミもいいかもしれませんが、チャイルドシートでいちばん大切なのは、いざという時にちゃんと子供の命を守ってくれるかどうかですよね。価格に惑わされないことや、「売れているから」とか「ブランドイメージがいいから」「好きなタレントが宣伝しているから」、といった理由ではなく、子供とクルマに合ったものであることと、安全性能をしっかり見極めて選んでほしいと思います。
そして、チャイルドシートの装着が法律で定められているのは6歳未満の子供までですが、本当に子供の安全を考えるならば、身長が145~150cmに達するまでは、年齢に関係なくチャイルドシート(ジュニアシート)の使用をオススメします。