燃費はもちろんエンジン本体の保護にオイルはとても重要
燃費というのはクルマにとって健康のバロメーターで、調子が良ければいいし、悪ければ悪化してくる。当然調子がいい状態が基準になり、そのときの燃費からどう変化するかが気になる存在である。じつはバリバリの新車時はまだエンジン内部にアタリが付いていない。
ただし、それ以降は次第に落ちてくることもあったりして、なんとか新車のころに戻したいと思ったりもする。もちろん機械としての消耗もあるので、完全に元に戻すことは不可能だが、近い状態に戻すことは可能だ。今回は復活のポイントを紹介しよう。
1)オイル選び
オイルの粘度は純正指定であれば、低燃費車なら0W-20は当たり前、0W-16の採用もどんどんと進んでいて、0W-8や0W-12の普及も進みそうと、超低粘度化は進むばかりだ。もちろん抵抗を低減させて省燃費を狙っているのだが、消耗が進んで5万kmあたりになると気密性が落ちてきて、そうなると超低粘度オイルだときつくなってくることがある。
対策として、ワンランク程度、粘度を上げてやると、気密性の向上で燃費が回復傾向になるだけでなく、内部の保護力もアップする。
2)添加剤
気密性を高めるものやフラッシング機能のあるもの、そして抵抗を減らしてくるものなどさまざま。最近は少量生産ながら、こだわって作っているインディーズ的なオイル&添加剤メーカーがいくつかあるので、楽してみるのもいいだろう。

そもそもオイルには添加剤が使われていて、そこに足すとバランスが崩れるという声もあるが、規定量だと問題が発生する可能性は低い。もともとオイルに使われる添加剤はそれほど多種ではないので、配合割合が増えるだけということもある。ただ、モリブデンは入れすぎるとスラッジになるので注意が必要だ。
自ら状態をチェックできる項目もある!
3)エアクリーナー
最近はエアクリーナーも長寿命化が進んでいて、油断しがちな消耗品だ。かなり汚れていても使えてしまうのだが、きれいに越したことはないのも事実。まだきれいなのに変える必要はないが、そこそこ汚いと感じたのなら、新品に替えてしまおう。

4)バッテリー
基本的にはエンジンがかかってしまえば、バッテリーの電気は使われないのだが、最近はアイドリングストップや充電制御の関係で、走行中もバッテリーの電気を使うことがある。そうなるとバッテリーの負担は増えてしまい、走りにも影響を与える可能性も高まる。また、バッテリーが弱るとアイドリングストップの時間も短くなってしまうのも、燃費に悪影響だ。ストレス増大もあって、バッテリーが突然死することも多くなっているので、早めに交換してやろう。

5)ブレーキ
ブレーキはディスクにしろ、ドラムにしろ、使っているうちに作動が渋くなってくる。そうなると引きずりを起こして、抵抗が増大。そうなると当然、燃費にも悪影響を及ぼす。車検時でもいいので、キャリパーやシリンダーのビストンの動きが渋くなっていないかを重点的に見てもらうといい。

6)タイヤ
こちらは劣化などももちろんだが、なにはともあれ、空気圧の管理が重要。新車時に戻すという意味では、指定の空気圧にするのが鉄則だ。

以上、ポイントをしぼって、クルマの初期化についてまとめてみたが、基本となるのは定期点検だ。プロに頼んでもいいし、見られるところだけ自分で見てみるだけでも違う。人間と同じで、体調が悪いのにサプリを飲んでなんとかしようというのではなく、まずは基本部分を健康にするのが大切だ。