欧州では販売低下も日本では人気のディーゼル車
欧州車といえば、ディーゼル車が主流。これが、日本のユーザーの多くが近年、欧州車に抱いてきたイメージだと思う。2010年代半ばには、欧州全体で乗用車市場でのディーゼル車普及率は約5割あった。
一方で、日本で乗用ディーゼルと言えば、代表格はマツダだ。2012年にCX-5がマツダ第六世代の先頭バッターとして市場導入され、最大の特長である新開発SKYACTIV-Dがヒットした。その後、マツダ2、マツダ3、CX-3、CX-8、CX-30へと次々にSKYACTIV-Dが搭載されていった。
また、商用車としてのみならず、キャンプ、サーフィン、フィッシングなどレジャー向けのトランスポーターとしても人気のハイエースやNV350キャラバンでも、ディーゼル車は人気で、リセールバリュー(下取り価格)もガソリン車に比べてかなり高い。その他、ランドクルーザープラドもディーゼル車は根強い人気である。
欧州車に目を移すと、ジャーマン3(メルセデス・ベンツ、BMW、VWグループ)ではディーゼル車が各モデルにラインアップされており、こちらも人気も高い。
こうした状況で、日本ではディーゼル車が下火というイメージを持っているユーザーは少ないと思う。
欧州CO2規制がその要因
では、欧州で乗用ディーゼル車の販売が落ちている原因はなにか? それは、欧州委員会(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)が定める、欧州CO2規制にある。
2021年にNEDC(新欧州ドライビングサイクル)で95g/kmという数値は、アメリカ、日本、中国と比べて厳しいが、ECとして2030年に向けてさらに規制を強化する動きを見せている。
そうしたなかで、近年は欧州メーカーでもSUVなど大型車ラインアップが増えており、メーカー全体で考えるとディーゼルよりも、48Vマイルドハイブリッドやプラグインハイブリッド車の比率を高めることが、今後のCO2規制対応に見合うと判断する欧州メーカーが多い。
ただし、ダイムラー等が正式コメントを出しているように、今後もディーゼルエンジンの開発と販売は継続するとしている。
欧州での規制はCO2排出量に対してが主体であり、排気ガス規制の強化も必然だが、全体の影響力はCO2排出量規制が大きい。近年のディーゼルはNOx(窒素酸化物)等に対応をしたクリーンディーゼルである。
一方、日本の場合、欧州と比べて達成目標値がやや低かったCO2規制について動きがあった。菅政権が提唱する2050年カーボンニュートラル政策の一環である、グリーン成長戦略の中で「遅くとも2030年中頃までにICE(内燃機関)搭載のみによる新車販売ゼロ」を打ち出した。
このICEについて、多くのメディアがガソリン車という表現を使い、その対比である電動車=EVと報じる大手メディアも多くあり、自動車工業会として訂正を求めるコメントが出た。
そうしたなかで、クリーンディーゼルを今後、日本でどのように扱っていくのか? 本稿執筆時点(2021年1月中旬)では、グリーン成長戦略に関して、具体的な議論の内容が外部に公表されていないため、今後の政府とメーカーの動向を注視していきたい。

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