緊張感をなくすためには着座位置や視線の高さがポイントになる

最新の軽自動車は、とくにターボモデルであれば、高速走行、ロングドライブ、フル乗車を余裕でこなしてくれるクルマも少なくない。ダウンサイジングで、一家に一台のファーストカーとして使い、高速走行、ロングドライブの機会が多くても、不満なく乗れるということだ。ターボ車の場合、パワーは上限64馬力に制限されてはいるものの、10kg-m前後のトルクは、1リッターNAエンジン並み(トヨタ・ルーミーは3気筒1リッターで9.4kg-m)であることも、軽ターボの動力性能のゆとりを語るうえでの大きな魅力、ポイントとなる。



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ただし、いかにターボパワーに余裕があっても、すべての軽ターボモデルが” 普通車に混ざって走っても怖くない”というわけではない。じつは着座位置、視線の高さがポイントになったりするのである。つまり、そもそも軽自動車は車体が小さく、それが高速走行での怖さにつながりやすく、クルマ着座位置、視線が低いと、なおさら横をトラックが走り抜けるようなシーンで、けっこうな緊張感を覚え、怖ささえ感じてしまうというわけだ(ここでは低重心による安定感は別に考える)。



しかし、スーパーハイト系やハイトワゴン系軽自動車のような、ミニバン的に着座位置、視界が高いクルマだと、視覚的な緊張感、怖さが一気に低減するのである。ホンダN-BOXなどのスーパーハイト系軽自動車を運転していて、車体が実際のサイズ以上に大きく感じられる……であれば、それがプラスに作用する。



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では、具体的にどんなクルマが普通車に混ざって走っても怖くない! 高速走行も余裕の軽自動車なのか。ターボで、車高、着座位置、視界の高いクルマのなかでも、前後スタビライザーが付いていると、さらにいいのは当然だ。



たとえば、スーパーハイト系軽自動車に比べ、横風に強いハイトワゴン系であれば、スズキ・ハスラーターボ、スズキ・ワゴンRマイルドHVターボ、ホンダN-WGNがその筆頭だ。



ハスラーターボについては、去年の冬、東京~軽井沢間の約360kmを往復し、上信越道碓井軽井沢ICからプリンスどおりに至るバイパスの急こう配の峠道さえ走行しているのだが、そのゆとりあるパワー、ACCの機能、フラットかつ上質な乗り心地の良さ、巡航時の車内の静かさ、安定感の高さ、そして冬の軽井沢の積雪路でも安心な走破性の高さ(スノーモード付4WD+スタッドレスタイヤ装着)から、3名乗車でもストレスなく走れ、軽井沢到着時、帰宅時ともに、ロングドライブによる肉体的、精神的疲労度は最小限。帰宅後、元気ハツラツで、すぐにハスラーターボの試乗記を書くことができたほどだった。



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スズキ・ワゴンRも、洗練されたインテリア、高めのすっきりとした視界の良さ、中高速域で威力を発揮するターボパワー、トルクによって、じつに快適かつ安心して高速走行が可能となる。エンジンを高回転まで回しても、不快なノイズを発しないのも、聴覚による疲労を高めないメリットといえる。



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ホンダN-WGNに至っては、走りの上質さ、乗り心地の良さ、ホンダならではのこだわりが生きた安定感など、コンパクトカーいらずの実力を備え、そのターボモデルなら、まさにオールマイティに使える1台と言っていい。電子パーキングブレーキ、停止保持機能付き全車速域追従型のACC(アダプティブクルーズコントロール)、オートブレーキホールド機能の装備も、日常から高速道路での渋滞時まで、威力を発揮してくれる神器と言っていい。



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ターボモデルは高速走行時の快適性や安心感が高い

スーパーハイト系軽自動車が横風に弱いことは、車幅と車高の関係から致し方ないところだが、日本で一番売れているクルマであり、最近、MCを行ったばかりのホンダN-BOXのターボモデルは、前後スタビライザーを持ち、軽自動車にして高速走行、ロングドライブを得意とする典型的な1台。



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ミニバン並みの視界の高さは、より大きなクルマを運転しているかのような錯覚を覚えさせ、横風の影響はハイトワゴン系よりは受けやすいものの、ミニステップワゴンを運転しているような安心感のまま、ゆとりあるエンジン性能、上質な乗り心地とともに、高速走行を余裕でこなしてくれるのである。MC後のモデルは、そうした走行性能の資質の高さに、一層の拍車をかけている。



とはいえ、前後スタビライザーの有無にかかわらず、高速走行を余裕かつ、安心なままこなしてくれる軽ターボモデルはまだまだある。



たとえば日産デイズがその代表格。デイズは日産が初めていちから作ったハイトワゴン系であり、軽自動車の域を超えた内外装デザイン、質感の良さ、空間のゆとり、そしてなによりもプロパイロットやSOSコール、日産コネクトナビによるコネクテッド機能などの装備による、快適感と軽自動車最上の安心感を備えた1台。



じつはデイズの場合、NAモデルでも十二分な動力性能と、抜群の安定感を持っているため、高速走行、そして山道でも安心感に満ちた走行性能を発揮してくれるほど。箱根ターンパイクの下りを、輸入スポーティカーに後れをとることなく、駆け下りた実績もある。そのターボモデルであれば、適度な視界の高さもあって、高速走行でも余裕かつ安心感ある、快適な走行が可能だ。



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その三菱版のekワゴン、ekクロスも同様。

さらに、日産デイズをベースにしたスーパーハイト系軽自動車の日産ルークス、同ハイウェイスター、および三菱ekスペース、ekクロススペースのターボモデルも、クラスを超えた走りの安心感があり、普通車に混ざって高速走行をしても、なんら不満なく、怖い思いをしなくてすむ軽自動車といっていいだろう。



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ちなみに、自身が毎日走る道路が産業道路で、トラックが多いような場面でも、着座位置、視界が高いハイト系ワゴン、スーパーハイト系軽自動車のほうが、安心感で上まわるはず。とはいえ、山道をカッ飛ぶシーンに限れば、ホンダS660やダイハツ・コペンのような、着座位置、視界、重心の低いクルマのほうが安定感、安心感で上まわるのは、当然である。



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