渋滞も追い越し車線から始まる!

高速道路を走っていると、大抵、第1走行車線(一番左の車線)を走るクルマが一番少なく、第2走行車線や追い越し車線のほうが、明らかにクルマの台数が多く感じる。



これは交通量が増えるにつれ、利用者がそれぞれの希望速度を保とうとし、第2走行車線や追い越し車線に走行車両が偏る傾向があるからだ。



NEXCO東日本などによると、追い越し車線の利用率は、片側2車線の場合で約60%、片側3車線だと40~45%で、いずれも他の車線より利用率は高い。



「追い越し車線」の利用率が高い! 高速道路の空いている「一番...の画像はこちら >>



そのため、上り坂やサグ部になると、利用車数が多く、車間距離が短めな追い越し車線から渋滞が始まることがわかっている。



しかも、そうした上り坂やサグ部のような速度低下エリアになると、余計に第1走行車線から追い越し車線側に車線変更するクルマが増えるので、ますます追い越し車線の密度が高まり、追い越し車線から渋滞が発生することに……。



また平地部でも出口に向かうクルマやや合流してくるクルマを嫌って、ペースが遅いのに追い越し車線側に移ってくるクルマがあり、これも流れを滞らせる要因になっている。



車線ごとに速度を指定してはどうか

これまでの専門家の研究で、高速道路で速度が50km/hを下まわっている時は、第1走行車線を走り続けるのが一番平均速度が高く、クルマの台数も少ないというのがわかっているが、主観的には「第一走行車線=遅い」と感じている人が多いので、つねに追い越し車線側の通行量が多いのだろう。



こうした問題を解消するにはどうすればいいのか。私案だが、車線ごとに速度を指定するのが一番有効なのではないだろうか。



「追い越し車線」の利用率が高い! 高速道路の空いている「一番左側の車線」が使われない理由とは



まず、高速道路である以上、上り坂を含め、全車80km/h以上で走ることを原則とする。加えて片側2車線の道はMAX120km/h、片側3車線区間はMAX140km/hまで制限速度を引き上げ、第一走行は80~100km/h、第二走行車線は100~120km/h、追い越し車線は120~140km/hといった具合に、くっきり区分けすれば、かなり車線利用率が均等に近づき、渋滞の発生も抑えられると思うのだが!



現状のように、第1走行車線のクルマはあまりにも遅く、その結果、追いついたクルマがどんどん第2走行車線、追い越し車線に移ってきて、しかも車線間の速度差が小さすぎるというのは、あまりにも合理性を欠いているといわざるを得ないだろう。

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