おもに中古車業者が利用するためのもの

最近、中古車の取り引きで主流になっているのが、オークションだ。一般ユーザーは利用不可で、いわゆる中古車業者が利用するものなので、オートオークションや業者オークションとも呼ばれる。オークションと呼ばれるだけに、形式としては一般的なセリと同じで、出品車両を入札して高い値を付けた業者が落札、つまり買う(仕入れる)ことができる。



オークションというシステムがなかった昔は、業者間で直接やり取りして、相場に基づいて商談して決めていたため、基準価格はバラバラだったり、地域によって人気・不人気が異なるので、価格差があったりした。これを全国規模で大量に需要と供給に合わせて流通させようというのがオートオークションというわけだ。



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自動車のオークションを主催する団体はいくつかあって、各地に複数のオークション会場を設置していることも多い。オークション会場を利用するには、審査が必要で、古物商許可証の所持や常設の展示場と事務所があって営業活動を実際にしていること。また連帯保証人や保証金が必要になることあったりして、かなり厳しい内容となっている。高額なクルマを扱い、それを知らない者同士で取り引きするので当然だ。



実際の出品は各会場に持ち込んで行い、所属している査定士が一台ずつ、状態を事細かくチェックして、評価シートを作っていく。買う方、つまりオークションに参加するほうは足を運ぶことができれば実車を確認できるし、ネットを使っての遠隔からの入札を行う場合は、評価シートを見て程度や装備などを判断する。



中古車の「オークション」って何? 一般人が「立ち入れない」その中身とは



オークションは週に何回か行われ(木曜日が多い)、開催日は朝から出品車が流れてきて、続々と入札していく。イメージとしてはテレビでよく見る魚などのセリと同じで、1台ずつ上に上がって、入札価格がどんどんと上がっていく。そして上がらなくなったところで落札となる。また個人が利用するネットオークションと同じように、ただ高く入れれば落札できるとは限らず、最低落札価格が設定されていて、そこに届かなければ流れることもある。

そのほか、開始価格=落札価格という売り切りコーナーもあったりする。



メーターの改ざんが行われている可能性が低い

最近ではネットを使って、画面から入札していくこともできるが、その場合は遠く離れた会場に参加することが可能だ。自ら取りに行けない場所で落札しても、陸送代はかかるが、いわゆる配達してもらうこともできるので、距離的なハンディは少ないと言っていい。



オークションを利用するメリットとしては、出品する側としては当然幅広い業者に売れるということだし、買う側としては多くのクルマから選べるというのがある。オークションの場合、価格は平均化される傾向があるが、日によって参加業者が少ないこともあるので、掘り出し物が手に入ることもありえる。



そして意外なメリットが走行距離の管理だ。

中古車になってから時間が経っていると、どこかのオークション会場には出品されていることも多く、その履歴と照合してくれるので、メーター改ざんの可能性も低くなる。ちなみに万が一、改ざん車だった場合は返品が可能だったりする。



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もちろんデメリットもあって、一番は程度だ。熟練の査定士が査定するとはいえ見落としもあるし、誤魔化しを見抜けないこともある。そもそも試乗はしないので、走行面の不具合は未知数だ。「オークションなんてだまし合い」という声もあるほどで、遠隔で落札して届いてみたら結局のところ、程度がよくなかったという例もある。



価格については、仕入れ値ではあるため店頭価格よりも安いのは当然。代行業者もあってさまざまなメリットをアピールしているが、クリーニングやメンテが必要で、そのまま乗れないことも多い。査定は洗車やオイル交換をしていないというのは関係ないからだが、たとえば代行業者にお願いして落としてもらっても、仕上げまでの費用を入れると最初から中古車店で買ったのと、あまり変わらないという可能性もある。



価格にこだわらず、珍しいクルマやグレードを探すという点では代行業者にお願いして探してもらうというのはありだろう。