SUVは意外にも新しいジャンル
今や多くのブランドがラインアップしていて、逆に手がけていないところを探すのが難しいほどメジャーになったSUV。しかし歴史を振り返ると、クルマのジャンルでは比較的新しいことがわかる。
生まれたのは1960年代のアメリカ。
そもそもユーティリティビークルとは貨物車の意味だが、以前からピックアップを遊びグルマとして乗っていた人もいた。そんな用途に合わせて短めの荷台にシェルを被せたスタイルを、スポーツユーティリティビークルという言葉で表現。略してSUVと呼ぶようになったのだ。
それ以前から、ジープやランドローバー、トヨタのランドクルーザー(ランクル)などは存在していた。これらはオフロード走行を念頭に開発されたことから、クロスカントリービークル(クロカン)と呼ぶことが多かった。この時点ではSUVとは別ジャンルだった。
クロカンに分類されていたクルマもSUVとみなされるようになる
ところが1980年代になると、ピックアップ+シェルというスタイルではなく、一体のワゴンボディを持つ車種も出てきた。こちらのパイオニアとされるのが、僕もかつて乗っていたジープ・チェロキーXJ型。ホンダでも売られて大ヒットしたあのクルマだ。
当時はまだアメリカ以外でSUVという文字を見るのは稀で、1990年代になって生まれたトヨタRAV4やホンダCR-Vもライトクロカンと言われていた。しかし2000年前後になって、メルセデス・ベンツやBMW、ポルシェなどヨーロッパのプレミアムブランドがこの種のクルマを送り出すあたりから、世界的な名称になった。
するとそれまでクロカンに分類されていたクルマもSUVとみなされるようになり、ヘビーデューティSUVという呼ばれ方をするようになった。一方ワゴンやハッチバックをベースに車高を上げ、大径タイヤを履いてオーバーフェンダーを装着するなどアウトドアテイストに仕立てたモデルも登場。こちらはクロスオーバーSUVと呼ばれたが、まもなくSUVが取れて単にクロスオーバーで通じるようになった。
近年ではSUVクーペといって、クロスオーバーの掛け合わせの相手をクーペにした車種が出てきた。もはや何でもありという状況だが、ピックアップベースやクロカンをルーツに持つモデルは相対的に少数派になった。
ジムニーやランクルがもてはやされている直近の状況は、なんちゃってSUVはもういらない、本物が欲しいというユーザーのメッセージともとれる。

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