この記事をまとめると
■タコメーターの目盛りは9や10まであるが実際は7辺りで止まる



■これはメーカーによってレブリミッターが設けられているから



■レッドゾーンを超えた回転数の目盛りが存在する理由について解説する



レッドゾーンはエンジンの使用上限回転数を示す

タコメーターの9とか10とか数字があるけど実際は7辺りで止まる針。本当にここまで回るの? なんの意味が?



エンジンというのは単位時間あたりの吸入空気量を増やせばパワーが上がるので、高回転化すればするほど高出力化が可能になる。



しかし、回転数が高くなると、バルブの開閉がピストンの動きについて行けなくなってバルブがジャンプしたり、サージングを起こしたり、あるいはピストンやメタル部の油膜が切れたり、振動によるブロックの破損を引き起こすリスクが大きくなるので、自動車メーカーではレブリミッターを設け、設計上補償できる回転数以上にはアクセルを踏んでも回転が上がらないように工夫している。



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どんなにアクセルを踏んでも、それ以上回転数がいらないのなら、タコメーターの数字もそれ以上いらないのでは? と思うかもしれないが、メーターの目盛りというのは、水温計も油温計もエアゲージもかなり余裕を持たせているもの(スピードメーターだけは、180km/hまでしかないクルマもあるが……)。



タコメーターには、エンジンの使用上限回転数を示すレッドゾーンがある。このレッドゾーンのはじまりは、そのエンジンの最高出力回転数の300~1300回転ぐらい上のところで、それが7000回転になっていれば、少なくともその7000回転までが安全圏内。



万が一オーバーレブをしてしまった時の自覚は重要

もっともメーカーもある程度余裕を持たせているので、レッドゾーン即エンジンにダメージというわけではなく、上記のレブリミッターもレッドゾーンの始点からさらに500~1000回転回すと制御が入るようになっているはず。



つまり、レッドゾーンのはじまりが、「そろそろやばいよ」というお知らせで、レブリミッターが効くのは「本当にやめてね」という強制終了だと思えばいい。



リミッターに当たってそこまで回らない! それでもタコメーターの「レッドゾーン」に数字が刻まれるワケ



というわけで、レッドゾーンになってもプラス1000回転ぐらいは最低限必要。だとしても、その先の9000回転ぐらいまでの数字は?



なんでもそうだが、何事も想定外のことは起こるものだし、人間はミスを犯すもの。MT車でシフトチェンジのときにミスをして、低いギヤに入れてしまうとレブリミッターに関係なく、オーバーレブになってしまう……。



リミッターに当たってそこまで回らない! それでもタコメーターの「レッドゾーン」に数字が刻まれるワケ



またECUなどをチューニングして、レブリミッターの上限を引き上げた場合も、当然さらに上まで回るようになる。



これらはいずれも自己責任なので、自分がどこまで回してしまったのかを認識しておくためにも、タコメーターの目盛りが必要。



一瞬のオーバーレブなら、すぐにエンジンが壊れることもないだろうが、のちのちトラブルが出たり、調子が悪くなったり、寿命が短くなったとき、「あの時、オーバーレブしたからかも」という自覚があるかないかはけっこう重要(カムを換えたりバルブスプリングを強化するなど、チューニングをすれば、高回転化は可能)。



そうしたさまざまな使用条件を考えれば、レッドゾーンのはじまりから、プラス2000回転ぐらいの目盛りがあるのは、十分意味があるといえるだろう。

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