この記事をまとめると
■トヨタだけでなく国産車最強のSUV「メガクルーザー」を振り返る■元々は陸上自衛隊の「高機動車」として誕生しそれが民生用になったのがメガクルーザーだ
■2017年3月12日以降に運転免許を取得した人は普通免許で乗ることができない
ランクルなんか目じゃない! 最強クロカンここにあり
キングオブSUVとして、国産車の頂点に立つトヨタ・ランドクルーザー。しかし、そのランドクルーザーを上まわるSUVが存在していたことをご存知だろうか? その車種こそが「メガクルーザー」である。
メガクルーザー自体は1996年1月に発売が開始されているが、元々は陸上自衛隊の人員輸送車として開発され、1990年代初頭から使用されている高機動車がベースとなっており、いわば自衛隊車両の民生向けがメガクルーザーというワケである。

そんなメガクルーザー、全長は5090mmとハイエースのスーパーロングよりも短いものの、全幅は堂々の2170mmを誇り、都内では駐車場探しに難儀するレベル。しかし、4WSを装着することで最小回転半径は5.6mと、先代ヴィッツGRスポーツGRと同等の小まわり性能を持ち合わせていた。
インテリアも当然のことながら唯一無二
これほどの大きな車体を持ちながら純正状態での乗車定員は6名となっており、レイアウトもフロント2名、リア4名の2列シートとこれも特徴的。これは最低地上高を確保するためにデファレンシャルやプロペラシャフトを可能な限り高い位置に搭載したためで、車内のセンターにはプロペラシャフトが通るフロアトンネルが大きく張り出しているからなのだ。

※写真は高機動車の車内
そのため、運転席と助手席の間には壁のような大きな隔壁が存在し、オーディオやシガーソケット、灰皿などはこの部分にドライバー向きに設置されている。

また、メーカーオプションとしてチルトアップ&着脱式サンルーフが設定されていたが、これは鉄板(アルミ製)かつ装着位置が2列目シートの真上となっており、風や景色を楽しむものというよりは作業用のハッチゲートという意味合いが強くなっていた。
搭載されるパワートレインは、同車のダイナ/トヨエースやコースターといった働くクルマに採用された4.1リッターディーゼルターボエンジンに4速ATの組み合わせのみとなっており、信頼性の高いものを組み合わせている点も高機動車ベースらしいポイントと言えるだろう。

このように唯一無二の存在感を放つメガクルーザーであるが、注意すべき点がひとつある。それは、ノーマル状態での車両総重量が3.78トンに達するため、2017年3月12日以降に運転免許を取得した人は普通免許で乗ることができないのだ(普通免許で乗れるのは車両総重量3.5トン未満まで)。