この記事をまとめると
■ロシアのクルマ事情を解説



■ソ連時代から自国でクルマを作っていた



■日本車の人気も高く、チューニング文化も根付いている



世界中からバッシングを受けるロシアのクルマ事情とは

日本時間の2月24日にロシアはウクライナへの軍事侵攻を開始した。ロシアのプーチン大統領による、この“暴挙”にG7(主要先進国)をはじめ、世界各国が激しく非難しているものの、その対抗策はプーチン大統領など政権幹部やロシアへの経済制裁程度に留まっており、本校執筆中もロシアのウクライナへの侵攻が進んでいる。



北方領土という、日本とロシアでは領土問題(ソビエト時代にロシアが日本の領土である北方領土を終戦直後より不法占拠している)があり、ソビエト時代には東西冷戦のなかで、いわばソビエトは日本にとって“敵”のような存在だったこともあり、ロシアに対する印象は日本では一般的にはまだまだいまひとつ(短期観光旅行でもビザが必要なこともあるかもしれない)。

しかし、過去4回ほどモスクワのみだがロシアを訪れた筆者の肌感覚では、ロシアの人はアメリカ以上に大国意識が高いように見えるが、クルマ好きで日本が大好きな気さくな人ばかりであった。



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共産主義による厳しい統制経済下であったソビエト時代であっても、車種は限られたが自動車の個人所有が認められており、意外なほど自国生産モデルが存在していた。共産党幹部の専用車とされた、大型リムジンの“ジル”は一般国民が購入することはできなかったものの、その下のヴォルガまでは購入できたと聞いている。計画経済下で生産されるので、注文を入れても、忘れたころに納車になっていたようだが、それでも一般国民がクルマを持つことができたのである。



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モスクワ市内にソビエト時代の自動車が数多く展示されているレトロミュージアムがあるが、そこにはソビエト時代の歴代“ソビエト車”が多数展示されており、そこにはソビエト時代に開催されたモーターショーに出品されたコンセプトカーも展示されていた。



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ソビエトが崩壊し、ロシアとなっても一般大衆のクルマ好きは変わらない。日本と地理的に近いウラジオストクが、日本から輸入された中古日本車で溢れているのはよく知られているが、そのウラジオストクから約1万㎞も離れたモスクワでも日本から輸入された日本車の中古車が多数市内を走っている。モスクワはその位置もあり、日本以外でも西ヨーロッパ、アメリカ、中国など世界中から輸入された中古車があふれている。



チューニングや日本車の人気が高い

ロシアではこれといったインセンティブもなく、極寒の期間も長いのにトヨタ プリウスが大好きで、街なかで世界から輸入されたプリウスが多数走っている(アクアも目立ってきた)。トヨタ・マークⅡやチェイサー、クレスタなどが輸入され、車高を落とし、太いマフラーをつけて乗り回すひとも目立つ。モスクワに限れば、レクサスの新車が世界的にもよく売れており、LXなどは1週間も滞在すれば、日本の3年分ぐらいは見かけることができる。



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しかしロシアが2014年にウクライナ南部にあるクリミア半島を併合すると、隔年開催となる2016年と2018年のモスクワモーターショーの会場からは、ほとんどの西ヨーロッパブランドと日本ブランドのブースが消えた(2020年は新型コロナウイルス感染拡大により開催されなかった)。

ロシアが拒んだのか、西ヨーロッパブランドなどが出展を取りやめたのかは定かではないが、すでにウクライナ侵攻前からクルマの世界に限って言えば、政治対立の影響を受けていた(新車販売は継続されている)。



2018年のモスクワモーターショーでは、超高級サルーンとなる、ロシアブランド車“アウルスセナート”がデビューしたが、これはプーチン大統領専用車の民生版となる。プーチン大統領専用車はそれまではメルセデスベンツだったとのことだが、クリミア問題を受け「対立する西ヨーロッパ車に国家元首が乗っているのはおかしい」との声もあり開発されたと聞いている。



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とはいいつつも、西ヨーロッパ車やアメリカンピックアップに乗っているロシアの人も多いので、徹底した“欧米車排除”というわけでもなかったのだが、欧米の動きとは少し距離を置いていた当時の安倍政権(安倍元首相とプーチン大統領の個人的関係も当時は良かった)のロシア政策もあり、日本車だけでなく日本のサブカルチャーや日本人にも好意的に接するロシアの人が目立ってきていたのではないかと筆者は考えている。



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2008年に初めてロシアを訪れた時は冷たい対応が目立っていたことに比べると、直近で訪れた時のロシアの人たちがフレンドリーに接してくれたことがとても印象に残っている。それだけに今回の軍事侵攻は残念で仕方のないことだと筆者も感じている。

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