この記事をまとめると
■都心部では機械式立体駐車場が多く見られる■ほとんどの場合、サイズや重量などに制限がある
■駐車場を利用するために知っておくべきクルマのスペックを解説する
ほとんどの場合サイズや重量などに制限がある
都心部のデパートやショッピングモールといった商業施設や、マンション、ホテルの駐車場などで多く見られるのが「機械式立体駐車場」です。「タワーパーキング」と呼ばれることもありますが、入り口でクルマをパレット上に駐車したあと、人や荷物を下ろし、パレットを機械で上下左右に動かして立体的に格納する方式の駐車場となっています。
少ない面積にたくさんのクルマを駐車することができますが、機械で動かすのでどんなクルマでも利用可能という訳にはいかず、サイズや重量などに制限があるところがほとんど。

1つ目は、全長・全幅・全高の数値です。いわゆるボディサイズですね。機械式立体駐車場に入庫できるクルマには大きさの制限があり、その場所によって多少の差はあるのですが、一般的には全長5000mm以下、全幅1800mm以下、全高1550mm以下となっています。比較的新しい場所だと、全長5050mm以下、全幅1850mm以下、全高1550mm以下というところもあります。
これを見て、軽自動車や5ナンバーサイズのクルマであればラクに入る、と思うのはちょっと危険。確かに全長と全幅はOKですが、全高が1550mm以下のクルマは最近とても少なくなってきており、たとえば軽自動車でもN-BOXやタント、ワゴンRのようなハイルーフ系は制限を超えてしまいます。コンパクトカーでも、ルーミーやソリオのようなスライドドアタイプも全高がオーバー。場所によっては、普通車用パレットとは別に、ハイルーフ車用パレットが用意されているところもありますので、あらかじめ調べておくといいでしょう。

2つ目は、先ほどのボディサイズで規格内に収まっているので安心、と思っても入庫できないことがあるのですが、その要因が「タイヤ幅」です。ほとんどの人は愛車のタイヤ幅を知らないのではないでしょうか。

愛車のタイヤ幅を知るには、スペック表の「トレッド」の数値に、タイヤサイズのいちばん最初の数字を足すと、それが愛車のタイヤ幅ということになります。たとえばプリウス(S)のトレッドは後ろの方が大きく、1540mmです。タイヤサイズは195/65R15なので、いちばん最初の数字「195」を足すと、1735mmとなり、それがプリウスのタイヤ幅です。

最低地上高が低いクルマは下回りを擦ってしまうことも
3つ目は、なかなか知っている人が少ない、愛車の最低地上高。これも知っておく必要があります。先ほどのパレットの溝には大きく分けて2つのタイプがあり、タイヤの部分だけでなく下まわりの部分まで一面フラットになっている溝と、タイヤの部分だけが凹んでいて、下まわりの部分が出っぱっているタイプです。前者なら心配ありませんが、後者の場合はあまりに最低地上高が低いクルマだと、下まわりを擦ってしまったり、はまって動けなくなってしまう可能性もあるのです。
その高さは場所によってさまざまで、最低地上高の制限が105mm~130mm以上というところが多くなっており、車検をクリアできる90mmギリギリのクルマは利用できないということになります。またダンパーやマフラーを社外品に交換していたり、純正よりも車高が低くなっている可能性があるクルマもありますので、愛車の最低地上高がいくつなのか、正確に把握しておくといいでしょう。

4つ目は、車両重量です。

5つ目は、これはスペックではなく装備になりますが、サイドミラーがたためるかどうか、アンテナが伸びているクルマなら、外したり縮めたりできるかどうか。これも機械式立体駐車場では重要です。万が一の事故を防ぐため、サイドミラーをたたみ、アンテナを低くする規則になっていることがほとんどですので、確認しておくようにしましょう。

ということで、これからどんどん行楽シーズンになり、お出かけする機会も多くなるかもしれませんが、初めて行く場所の駐車場がどんなタイプなのか、事前にチェックを忘れずに。ネットなどで詳細なサイズ制限などを記載している場所も多くなってますので、上手に利用したいですね。