この記事をまとめると
■24時間を走り切る耐久レースがいくつか存在する



■なぜこのようなレースが存在するのだろうか?



■歴史やそれぞれのレースの参戦の意味について解説する



メーカーは次世代車技術の開発にもレースを活用!

スタートからゴールまで、24時間を走り切る耐久レース。なぜ、そうしたレースが存在し、いまでも挑む人たちがいるのだろうか?



時計の針を戻すと、いまから100年近く前の1920年代に、フランスのル・マン24時間レースの起源となるレースが開催された。

当時はまだ、ガソリン乗用車が世に出てから20~30年ほどの自動車創世期であり、クルマの耐久性を証明できるような大規模なテストコースもなく、また自動車技術もまだまだ未熟だった。そのため、レースという競技の場が、いわゆる「走る実験室」であり、自動車販売に対する「走る広告塔」でもあった。



第二次世界対戦が終わり、アメリカの経済成長が進み、そうした高度経済成長の波は1960年代に日本にも及ぶ。より高性能なクルマの開発が進む中、日本メーカーも24時間の国際記録へのアタックをしたり、24時間レースに参戦するようになった。



時代は経過して、今(2022年)でも、ル・マン24時間レースにトヨタが参戦しているが、これは電動化技術の熟成、レースを通じたアジャイル(短期間に課題解決を行う手法)な開発における人材開発、そしてGRのブランド戦略という多角的な側面がある。



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在りし日と比べれば、自動車の技術的な信頼性は各段に高まっているが、24時間を走り切るという命題のもとでのレース参戦には”意義がある”という経営判断をするメーカーがあるということだ。



一方で、ツーリングカーやスポーツカーという分野では、ドイツのニュルブルクリンク24時間があり、日本からはスバルも参戦している。



なんで「まる一日」走り続けるのか? 「24時間レース」の存在意義とは



ここでも、メーカーにとっての参戦意義はル・マン24時間に近いが、ニュルブルクリンク24時間レースの場合、参戦ドライバーに、いわゆるジェントルマンレーサー(プロレーサーではない)が多く、個人的な趣味や自身が関係する企業の製品開発を目的として参戦するケースも少なくない。



こうしたニュルブルクリンク24時間に近い考え方が、スーパー耐久シリーズの1戦である富士24時間レースにある。ただし、富士24時間レースを含めたスーパー耐久シリーズでは、トヨタ、スバル、マツダ、そして日産が、カーボンニュートラル燃料やバイオディーゼル燃料などを使った、次世代車技術の開発の舞台として、レースを活用するようになっている。



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総合順位で見れば、上位はジェントルマンドライバーやアマチュアチームで占められ、一方で自動車メーカー直系のいわゆるワークス体制チームがラップタイムや走行順位では下位にいるという、従来のレースの常識では考えられない状況になっている。



見方を変えれば、だからこそ、24時間レースは、自動車産業が成熟期となった今でも未来に向けた技術開発と人材開発の面で、十分に価値のある存在なのだと思う。

2022年6月上旬、富士24時間レースの現場で昼夜を過ごしながら、改めてそう感じた。

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