博報堂DYホールディングスはインターネット広告事業のデジタルホールディングスをTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化し、デジタルマーケティング体制の強化や新規顧客開拓の強化、「テレビ×デジタル」の統合提案など顧客への提供価値の拡張といった相乗効果を見込む。
デジタルホールディングスはTOBに賛同し、TOBに応募するかどうかは株主の判断に委ねることを決めた。
買付代金は約270億円。買付価格は1株につき1970円で、公表前営業日の終値2163円に対して8.92%のディスカウント。博報堂は「直近3カ月平均の1414円に対しては、39.32%のプレミアムになる」としている。
買付予定数は1375万4907株。下限はMOM条項(マジョリティ・オブ・マイノリティ)をクリアするため、少数株主の過半数からの応募に相当する757万2454株(所有割合40.55%)。
買付期間は2025年9月12日から10月28日までの30営業日。決済の開始日は同11月5日。公開買付代理人はSMBC日興証券。
デジタルホールディングスの創業者と現会長(合計7.45%)がTOBに応募する。両氏の資産管理会社2社は同社株の26%超を保有するが、TOB成立までに同社株と有利子負債のみを残し、その他の資産や債務は新設分割会社や別途設立された承継会社に移す。その結果、両社は純粋に株式保有会社となる。
博報堂はTOB成立日に両社を子会社化した後、簡易吸収分割の手法を用いて両社が保有する株式と負債に関する権利義務を承継する。これによりデジタルホールディングス株の66.9%以上を取得し、その後にスクイーズアウトを経て完全子会社化する。
デジタルホールディングスは1994年にデカレッグスとして設立。2004年にジャスダック市場に上場し、13年に東証1部に市場変更(2022年4月に東証プライム市場に移行)。2020年に現社名に変更している。