
メタバース(コンピューター内の3次元の仮想空間)が、美容や医療などの分野にも広がってきた。
美容皮膚科さくらクリニック(東京都港区)は、メタバース内にダイエットの相談窓口を立ち上げた。
京都栄養医療専門学校(京都市)は、栄養士や管理栄養士分野で、メタバースを用いた遠隔授業の実証研究に乗り出した。遠隔教育モデルを構築したうえで、新たな教材開発を進め、学生だけでなく、社会人を対象にした遠隔教育システムの確立を目指す計画だ。
メタバースは物販店などの商業利用が先行しているが、今後は医療や教育をはじめ幅広い分野での活用が見込めそうだ。
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安全で効果を実感できるダイエットを提供
美容皮膚科さくらクリニックは、2022年8月に医療痩身サービス「MEDICAL BODY MAKING」をスタート。医学的根拠に基づき、安全で効果を実感できるダイエットを提供する体制を構築している。
すでにダイエットの相談会を開催しており、参加者からは「メタバース上のため、メイクや着替えもせずに気軽に入室できた」「近くに医療痩身をやっているクリニックがないため、新鮮な気持ちで相談できた」などの反響があったという。
今後もメタバースを用いたダイエットの相談会を実施する予定で、ダイエットに関する正しい知識の啓蒙や、医療機関での痩身プログラムはどのようなものなのかを紹介していく。

職業教育にイノベーション
京都栄養医療専門学校は、2年間かけ給食関連の実習施設や企業内給食関連施設をメタバース化し、学生の給食施設に対する理解度を深め、主体的に実習に取り組める環境を整える考えだ。
2023年2月までに京都栄養医療専門学校の給食施設をメタバース化し、給食施設の機器類のレイアウトを360度の視点から見ることができるようにし、2023年度は本格的な実証研究に向けたプレ実証などに取り組む。
同専門学校では、対面を前提としている栄養士や管理栄養士分野の職業教育に、メタバースを活用した遠隔教育モデルを開発することで「職業教育にイノベーションを起こす」としている。
メタバースを巡っては、三菱UFJ銀行(東京都千代田区)、損害保険ジャパン(東京都新宿区)、ANA NEO(東京都中央区)の3社が、メタバース空間での新たな金融サービスの提供に向けて協業することで基本合意するなど、広がりを見せている。
文:M&A Online編集部