
STPRは、所属アーティスト「莉犬(すとぷり)」のワンマンライブ『言ノ葉ワンダーランド LIVE in 日本武道館』を、2025年8月22日(金)・23日(土)の2日間開催。ライブレポートが到着しました。
6年ぶりのワンマンライブで描いた“言ノ葉ワンダーランド”は、リスナーと分かち合った想いと物語が、日本武道館に鮮やかに刻まれた2日間となりました。
『言ノ葉ワンダーランド LIVE in 日本武道館』ライブ写真













『言ノ葉ワンダーランド LIVE in 日本武道館』ライブレポート
2.5次元アイドルグループ・すとぷりのメンバーで赤色担当の莉犬が、『言ノ葉ワンダーランド LIVE in 日本武道館』と題し、2025年8月22日に1公演、23日に昼夜2公演のワンマンライブを東京・日本武道館にて開催した。
実に6年ぶりとなるソロライブは、全3公演、満員御礼。莉犬自身がトータルプロデュースを手掛け、8月13日にリリースした3rdフルアルバム『言ノ葉ワンダーランド』を軸に構成した多彩でドラマティックなステージには、新たな試みやスペシャルゲストの登場など驚きと感動がたくさん。そして、リスナー(ファンの呼称)への愛と感謝に満ちた莉犬の真っ直ぐな歌と言葉は、胸を打つものだった。ここでは、8月23日の夜に行われた最終公演の模様をお伝えする。
一羽の赤い鳥が羽ばたいて辿り着いたのは、一冊の本が置かれた森の奥の切り株だった――。心躍るオープニング映像があけ、ステージ上段に登場した莉犬がていねいに歌を紡いだのは、『言ノ葉ワンダーランド』の1曲目を飾るナンバーであり、8月13日にMV公開された「言ノ花束」だ。赤色のビロード生地で仕立てた王子様衣装をまとい、赤いドレープ幕に縁どられたステージで<君>に向け<歌い続けるから>と誓うその歌声は、美しくて力強い。
お城の大階段ロビーを思わせる背景映像からつながる階段を降りながら、「今日は来てくれてありがとう。最後まで一緒に楽しもうね!」と笑顔でリスナーに呼びかけ、莉犬自身が作詞を手掛けた「リバースデイ」ではダンサーと一緒に軽やかに踊ったり、歌詞に合わせて抱きしめポーズをしたり。赤のレーザー光線が飛び交いファイヤーボールが勢いよく噴き上がったハイテンポな「オッドアイラヴ」では、歌もダンスもクール&ダイナミックにきめたり。 「これからも推してくれる?」という言葉に続いた「最強☆最推しセンセーション!!」では、当然<ガチで恋して>しまうキュートな歌声と振り付けで翻弄したり。
「最強☆最推しセンセーション!!」の最後にダンサーがステージ上段に残したプレゼントボックスを開いた莉犬は、オープニング映像で目にした本を手にすることに。その後の幕間映像で本の世界に飛び込んだ赤い鳥、すなわち莉犬が迷い込んだのは、『言ノ葉ワンダーランド』初回限定盤Aに付属する飛び出す絵本の世界そのまま、不思議の森だった。素早い舞台転換でドリーミーなワンダーランドと化したそこは、まるでミュージカルステージのような華やかさ。ダンサーとのきれいにそろったラインダンスで沸かせた「ないことば」。 歌舞伎の衣装引き抜きのような『言ノ葉ワンダーランド』メインビジュアル衣装への見事なチェンジからの、キャスターチェアを使った斬新パフォーマンスにも目を見張った「へんしん!」。カラフルな部屋を思わせる映像を背に調理器具を手にしたダンサーとコミカルに魅せた「わんぬ」。莉犬の表現欲と表現力によって生まれたのは、色鮮やかなエンターテイメントショーだ。
大きなステージを右に左に移動してたくさんファンサしながら歌った「ヒロイン(ハート)キラー」のあとは、「みんなはどのワンダーランドから来たの?」とたずねるなどしてリスナーとの言葉のキャッチボールを楽しむ莉犬。「君たちは俺のこと大好きな妖精さんって聞いたけど……ほかにも人がいそうだね」とにわかに気配を感じると、ジャケットもネクタイもカマーバンドもまさかのディープレッドの王子衣装をまとった、すとぷり内公式ペアの相方・るぅとがサプライズ登場! 「ちこくしてもいいじゃん」で背中合わせになって座りぎゅっと手をつなぐ2人の姿、「僕はこのワンダーランドが大好きだ!」というるぅとの告白に、赤に加えるぅとのイメージカラーである黄色を灯したペンライトが揺れる客席から大歓声が上がる。
ワンダーランドの王子となったるぅとと、王子の飼い犬!? となり「ワンワン」とかわいく鳴く莉犬が仲良くステージをお散歩し、2人と一緒にリスナーもタイトルコールしたのは「Who’s your prince?」。
ところが、るぅとが去り際に「夜の森には気をつけてね」と意味深なメッセージを残し、莉犬が「なんだか眠くなってきちゃった……」とつぶやくと、ステージが暗くなり一気にダークモードに。黒衣装の莉犬がベッドの上で白いシーツを感情的に掴み、悪夢の中でもがくように歌った「ウツロ」「ファーストバイト」。先ほどまでの莉犬とは別人かのような悲痛さや苦悶をたたえた歌声、表情、表現に、どうしたって心がかき乱されてしまう。
ステージ上段の赤いギターを目指し階段を一歩一歩上った莉犬が、生々しい過去の傷、痛みを抱えながらそれでも前に進んでいく、そんな決意を込めて歌ったのは自身が作詞した「Since 1998.」。サビでギターをエモーショナルにかき鳴らしながら凛として歌った「光」では、ギター初挑戦とは思えないその立ち姿に、どれほどの努力を重ねたのだろうと思いを巡らせずにはいられなかった。と同時に、莉犬はリスナーにとっての光であり、リスナーは莉犬にとっての光であり、それはあまりに尊い関係性だ、とあらためて感じたりもした。
自身の、すとぷりのこれまでの歩みを振り返る映像をはさみ、大切に歌ったのは「迷い星の歌」だ。すとぷりのライブで着用し、リスナーに愛されている燕尾服をモチーフにした白衣装を着た莉犬が、胸の内を明かした。
「こんな素敵な場所で君と出会えたこと、一緒に思い出を作ってくれていること、すごく嬉しいです。
そうリスナーに約束して、赤いスーツのダンサーをしたがえターンも華麗にきめた「ルマ」へ。「ワン for All!」「ラブヒーロー」「恋のつぼみ」が連なるメドレーにしても、高まるに決まっている。
心からの「ありがとう」をリスナーに満開笑顔で伝え、犬耳ポーズで締めた「よくできました◎」。スパークラーの火花に彩られ<僕らならできる>とリスナーに手を差し伸べるように歌い、最後は大きな鍵を手に扉を開け光の中へと歩みを進めた「Kizuna」。本の世界から羽ばたいた赤い鳥の行く先には、紫、オレンジ、ピンク、水色、黄色の鳥が待っていた。莉犬が導いた無比のワンダーランド、そこでの記憶はきっとリスナーの生きる糧になる。
袖を赤いフリルでリメイクしたグッズTシャツ姿で莉犬が登場、「エンドロールのその先へ」でスタートしたアンコール。「あらためまして、出会ってくれて、好きになってくれて、こうして会いに来てくれて、本当にありがとう。大きな舞台でこそ伝えたい、君の声が、ひとつの真っ赤なペンライトが、俺の支えになっています」と告げて、「タイムカプセル」へ。目の下にすとぷりのメンバーカラーのグリッターシールを貼っていることを本編のMCで明かした莉犬が、歌詞に合わせたメンバーカラーのライトに照らされて歌った「君の方が好きだけど」。
莉犬がゲストのるぅとを再び招いて、ダンサーも含め手をつなぎ最後の挨拶をしてステージを去ったあとも、鳴り止まないアンコール。すると、「もう、みんなそんなに俺と一緒にいたいの? しょうがないな、あと1曲だけだよ!?」と言って莉犬が再登場。最終公演のみの特別なダブルアンコールで届けたのは、「人生勝利宣言!」だ。客電がついて隅々まで明るく照らされた満杯の客席を、愛おしそうに見渡しながら歌った莉犬。その歌声、存在は、これからもリスナーの人生を豊かに色づけていく。
文・取材:杉江優花
写真:Keisuke Kato/かわどう
『言ノ葉ワンダーランド LIVE in 日本武道館』セットリスト
M1:言ノ花束
M2:リバースデイ
M3:オッドアイラヴ
M4:最強☆最推しセンセーション!!
M5:ないことば
M6:へんしん!
M7:わんぬ
M8:ヒロイン(ハート)キラー
M9:ちこくしてもいいじゃん(莉犬×るぅと)
M10:Who’s your prince?(莉犬×るぅと)
M11:シャッターチャンス!(莉犬×るぅと)
好きすぎ注意補(ハート) ※8/23 第1部のみ
M12:ウツロ
M13:ファーストバイト
M14:Since 1998.
M15:光
M16:迷い星の歌
M17:ルマ
M18:メドレー ワン for All!/ラブヒーロー/恋のつぼみ
M19:よくできました◎
M20:Kizuna
EN1:エンドロールのその先へ
EN2:タイムカプセル
恋を知った日々に ※8/23 第1部のみ
EN3:君の方が好きだけど
EN4:人生勝利宣言! ※8/23 第2部のみ