ライブでは伸びやかな歌声でKEY TO LITのボーカルを引っ張る岩﨑大昇。ミュージシャンとしての成功を夢見る役どころで映画『正直不動産』に参戦。
ヒロトは共感できるところの多いキャラクターでした
映画版新キャストとして「正直不動産」に初参戦した岩﨑大昇。ヒロインの月下(福原遥)の幼なじみで、売れないミュージシャンの山口ヒロトを演じている。「歌も芝居もギターも上手い」という抜擢された理由を知った岩﨑は恐縮しきりだ。
「そんな風に言っていただけて、期待に添えるかどうか不安だったんですけど。テレビシリーズが大人気の作品に参加させてもらえるなんて、嬉しかったですね。お芝居の現場で、先輩である山下智久くんとご一緒させていただけるということもワクワクでしたね。ギターができることから抜擢してもらった役なので、ギターの猛練習をしました。ギターを始めたのは中高校生ぐらいからで、ちょっとずつ触って練習してきたんですが、ミュージシャン役ということもあり、演奏シーンは緊張しました」
『正直不動産』は2022年4月から2シーズンにわたって放送され、大好評だったことからSPドラマやスピンオフも制作された作品。劇場版で新キャストとして登場した岩﨑は、現場に入る前はプレッシャーもあったと話す。
「いや、それはもう怖かったですよ。
演じるヒロトは、夢を追いかけるミュージシャン。ライアー永瀬(山下智久)との過去の契約がきっかけで賃貸トラブルに発展し、登坂不動産を訪れるという設定だ。
「ヒロトはまっすぐに生きてきた素直な人間。アーティストの夢を追う途中で、いろいろな壁にぶつかって、なかなか上手くいかず、ちょっとくずぶっている印象なんですよね。素直な性格だからこそ、大変なところもあるのかなと思いました。そんなヒロトの分かるなっていう部分は、誹謗中傷を受けた時に落ち込むところ。メジャーデビューして、注目されたものの、なかなかうだつが上がらず……。
日は沈み、日は昇るという現実を生きています
ヒロトは音楽が好きで、音楽で成功したいと願う若者。岩﨑とはそこも通じるものがあるが、夢に向かう途中、壁にぶつかった時、どのように乗り越えてきたのだろうか。
「壁にぶつかった時ですか? 僕の場合は、壁にぶつかろうが何しようが、また日は沈み、日は昇るという現実を生きているので。何だかんだ、どうにかなるんですよね。でも、何もしないという選択肢はとらないタイプなので、何かしら頑張って現状を打破しようとします」
登坂不動産で永瀬と対峙するシーンでは、コミカルな山下の演技が光る。山下と初共演を果たした感想を聞くと「山下くんが演じる永瀬を前にすると『正直不動産』の世界にいるなと感じられて楽しかった」と、嬉しそうな笑顔を覗かせる。
「以前、ジュニアが歌う楽曲を山下くんに楽曲提供していただいたことがあったんです。その時はアーティストの山下智久として、後輩の僕と対面して下さっていたので、クールでミステリアスな印象だったんですよ。今回のお芝居の現場では、また全然違った印象で。撮影前に山下くんから控室で『久しぶり』と気さくに声をかけて下さって、握手を交わしたんですよね。改めて、すごく優しい方だなと思いました」
劇中でヒロトが歌っている楽曲『優しい世界』は、「後輩の大昇にプレゼントしたい」と山下が詞を提供した楽曲だというから歌詞にも注目だ。
「山下くんが僕のために作詞をして下さるなんて、ホントに驚きましたね。感謝しかないです。
山下さんは僕にとって大切な先輩
アーティストとしての成功を夢見る役ということで、学生時代の学校の教室で歌う場面も。路上やライブシーンなど、歌唱するシーンが多々あるが、撮影現場はどんな雰囲気だったのだろうか。
「文化祭のシーンや教室で歌うシーンは、めちゃくちゃ緊張しました。生徒のエキストラさんが入っていましたから。文化祭でわーっと盛りあげながら披露するのも自分の人生の中で経験がなくて。普段の活動でライブをするのとは違って楽しかったです。楽しかったのは、路上ライブ。めちゃくちゃ寒い中、歌ったんですが、路上で演奏している人たちはすごいなと思いましたね。複雑ですけど、路上ライブって通行人の人に立ち止まって見てほしいって思う気持ちもあれば、緊張するから人に見られてなくてホッとする気持ちもあると思うんですよね。でも、素通りされると悲しいなって気持ちと集まってきたら嬉しいけど、ちょっとドキドキもするし…っていう気持ちをお芝居で両方リアルに味わいました(笑)」
メガフォンをとったのは、シーズン1から参加して、スペシャルドラマの演出も務めた川村泰祐監督。
「現場で監督のディレクションを受けながら、『こういう感じでいこうか』という話し合いはありましたけど。自分がイメージしていた演技プランと大きく相違はなかったですね。色々試しながらやることができて良かったなと思います。何回か繰り返しやったのは、序盤のシーンで山下くんがギターを持って歌った後に、僕が永瀬に怒りながら出て行くシーンがあったんですけど、そこはちょっと緊張しました。最初は、ヒロトがちょっとふてくされて逃げていた気がしたんですけど、ちょっと怒った雰囲気で演じました」
撮影現場で山下と対峙するシーンは、緊張したものの、最後には山下と現場でハグをするほど、距離が縮まったという。
「撮影が終わって、『本当にありがとうございました』っていう感謝の想いのハグをしました。僕にとって山下くんとの再会は、すごく嬉しいことでしたし、山下くんとの撮影は1日だけだったんですけど。色々お話しして、やっぱり僕にとって大切な先輩だなって感じる瞬間もたくさんありましたね。本当に共演できて良かったです」
映画ならではの壮大なスケールに注目してほしい
山下と福原との共演は勉強になることばかりだったという岩﨑。スタイリッシュでスマートな二枚目の永瀬が大真面目に面白いことを言うのが『正直不動産』ならでは。これまでクールな印象が強かった山下の印象が変わったようだ。
「山下くんはクールなイメージがあったんですけど、この現場での山下くんはすごくリラックスして楽しそうでした。永瀬のコミカルなシーンでは即興性を感じるお芝居が多くて。アドリブで永瀬らしさを生み出しているのが面白かったですし、刺激を受けました。台詞の言い方も毎回、ちょっとしたニュアンスが違っていて。『こんな感じでやればいいんだ』ってお芝居の面でも勉強になりました。福原さんは、ヒロトの前で月下が伴奏もない中、アカペラで歌うシーンがあるんですよ。その歌声は、シンプルにものすごく伝わってくるものもあって。ヒロトのことを強く想って歌っているんだなと心に響きました。丁寧に表現をされる福原さんは、すごく素敵なお芝居をされる方だと思いました」
山下と福原の名コンビに加えて、市原隼人、泉里香、長谷川忍らおなじみのメンバーが再集結した劇場版。岩﨑が完成した作品を観て、改めて感じた『正直不動産』の魅力とは?
「現場で一緒に作り上げた人たちの顔が思い浮かぶような温かさを感じる作品だということですかね。コメディタッチなシーンもあって面白いですし、山下くんと共演させていただいたシーンでの永瀬とのやりとりも『正直不動産』っぽいなって感じられました。そして、今回驚いたのは、冒頭の永瀬のシーン。
物件を探す条件は「虫がいないこと」です(笑)
「正直不動産」は不動産を舞台にした作品ということで、岩﨑の物件選びの際に外せない条件を直撃すると、即答で答えたのは、「虫が入ってこなそうなところ。それは大事かもしれない(笑)」と笑わせる。
「むちゃくちゃ虫が苦手なんですよね。1階や2階だと虫が入ってくる気がするんで。虫が入ってこない階がいいなって。日当たりよりも、虫がいないことの優先順位が上です。目の前に大きな木があっても、上層階で虫が飛んでこない高さがいいかも(笑)。将来住んでみたい理想の物件ですか? ギターを弾きながら歌えるので、スタジオタイプの防音室があるような家は、憧れですね。楽器がいっぱい置けるようなスペースも欲しいですし、カラオケもついてたらいいなって思います」
近年、舞台出演に精力的な岩﨑。今年は舞台『ロマンティックス・アノニマス』に挑戦。フランスを舞台にしたロマンティックコメディでは、内向的で人とのコミュニケーションが苦手な青年をリアルに好演。内気で性格を繊細なお芝居で表現したが、今作のヒロトは感情表現豊かなミュージシャンの役でまったく違った印象を受ける。
「映画の撮影は、去年の僕ではあるので、皆さんにどう映るのかドキドキしますね。その時、その時でベストを尽くしてやってるんですけど、生ものであるミュージカルはその瞬間その瞬間のお芝居を味わってもらえたかなと思います。舞台で演じたジャン=ルネとはまた全然違うキャラクターを『正直不動産』で演じましたが、不思議なことに、この映画でも歌う場面があるんです。舞台でも、映画でも、お芝居で歌わせてもらえるのは、歌を特技と言っている自分には嬉しいこと。歌で勝負している場面があるということで、僕の今までの活動を知ってる人には、繋がってるなと感じる人もいるかもしれないですね。舞台を観ていただいた方には、また違った僕の歌の表現を観てもらえることが楽しみです。今回のヒロトにとって、歌うシーンは大事になってくるので、とくに路上で歌うシーンやライブシーンはみどころ。劇場でぜひヒロトが歌うシーンを観ていただけたら」
『正直不動産』
5月15日(金) 全国公開
【配給】ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館 ©2026▲映画『正直不動産』製作委員会
【ストーリー】
登坂(とさか)不動産のエースである永瀬財地(山下智久)は、地鎮祭の準備中にある祠(ほこら)を壊した祟りによって「嘘がつけない」体になってしまった営業マン。正直すぎるがゆえに数々のトラブルを巻き起こしながらも、なんとか日々奮闘している。高級車に乗りタワマンに住むという野望を抱きつつ、課長昇進をかけて同僚たちと競争する一方、海外の不動産投資詐欺、嘘もいとわず営業成績を勝ち取っていた「ライアー永瀬」時代の過去の契約トラブル、元同僚である不動産ブローカーの謎の大規模開発計画、そして因縁のライバル会社・ミネルヴァ不動産が仕掛ける悪質で巧妙な地上げ戦略など、不動産業界に渦巻く難題に、正直に立ち向かっていく―。
【作品情報】
山下智久
福原遥
市原隼人 泉里香 長谷川忍 見上愛 松本若菜
西垣匠 伊藤あさひ 財津優太郎 馬場徹 松田悟志
山﨑努 吹石 一恵 岩﨑大昇(KEY TO LIT) やべきょうすけ 福士誠治 吉澤健 市毛良枝
ディーン・フジオカ 大地真央 / 倉科カナ 高橋克典 草刈正雄
原作:大谷アキラ(漫画)夏原武(原案)水野光博(脚本)『正直不動産』(小学館「ビッグコミック」連載中)
監督:川村泰祐
脚本:根本ノンジ 音楽:佐橋俊彦
制作プロダクション:NHKエンタープライズ テレパック
製作幹事 / 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館
©2026 映画『正直不動産』製作委員会
公式HP: https://shojiki-movie.jp/
公式X: https://x.com/shojiki_movie
公式Instagram: https://www.instagram.com/shojiki_movie/
公式TikTok: https://www.tiktok.com/@shojikimovie
撮影/堺優史、取材・文/福田恵子

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