
ゴールデンウィークの恒例となっている〈上野の森バレエホリデイ〉が今年もまた開催される。4月25日(木)から29日(月・祝)の5日間、東京・上野の東京文化会館にて、大ホールでのバレエの公演をはじめ、バレエにまつわるワークショップやトーク、展示、マルシェなど、多彩なイベントが用意され、さまざまな角度からバレエを楽しめる。

上野の森バレエホリデイ会場の様子
東京バレエ団が上演する『白鳥の湖』は、ウラジーミル・ブルメイステル(1904~1971)の振付によるヴァージョン。悪魔ロットバルトの呪いで白鳥の姿に変えられたオデット姫を、ジークフリート王子が真実の愛を誓うことで救おうとするも、ロットバルトの策略にはまり、オデットそっくりの娘オディールに愛を誓ってしまう──という物語を、より演劇的かつ説得力ある演出で物語る。独特なのは、第3幕。通常なら単なる余興として登場する各国の踊りのダンサーたちは皆、ロットバルトの手先。総掛かりで王子を幻惑せんと、力強い踊りを次々と放っていく圧巻のひと幕だ。
東京バレエ団では、斎藤友佳理芸術監督のリードで2016年に初演、その後たびたび上演を重ねてきた。表現力、技術力ともに定評あるソリストたちも、海外公演でも絶賛されるコール・ド・バレエ(群舞)も、ほかではなかなか味わえない充実の舞台を実現、多くの観客を魅了してきた。ひとつ例を挙げるなら、静けさに包まれた夜の湖畔に舞う白鳥たちの姿は、東京バレエ団の舞台でしか経験することのできない美しさだ。

Photo: Kiyonori Hasegawa
さらに、ファンが熱い眼差しを注ぐのは主演を務めるダンサーだ。26日と28日に主演する沖香菜子と宮川新大は、数々の舞台で主役を務め、より深みある演技が期待されるプリンシパル。
また28日、29日の12時から上演される、親子で楽しむGWファミリー公演「はじめての『白鳥の湖』~楽しいお話と第3幕~」は、ブルメイステル版最大の特徴である第3幕を抜粋で上演。『白鳥の湖』のほかにも、『ドン・キホーテ』、『眠れる森の美女』のファミリー向けヴァージョンでも人気を得ている東京バレエ団だけに、子供にも大人にもわかりやすく、かつ質の高いバレエを楽しませてくれる。バレエ体験は初めてという方、もっとバレエを知りたいという方にとっても最適の舞台だ。
文:加藤智子
<公演情報>
■東京バレエ団 創立60周年記念シリーズ 5
ブルメイステル版
『白鳥の湖』全4幕
4月26日(金)18:30 オデット/オディール:沖香菜子 ジークフリート王子:宮川新大
4月27日(土)15:00 オデット/オディール:中島映理子 ジークフリート王子:生方隆之介
4月28日(日)15:00 オデット/オディール:沖香菜子 ジークフリート王子:宮川新大
4月29日(月・祝)15:00 オデット/オディール:榊優美枝 ジークフリート王子:柄本弾
指揮:アントン・グリシャニン
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
会場:東京・東京文化会館 大ホール
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2344464(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2344464&afid=P66)
公式サイト
https://www.nbs.or.jp/stages/2024/swan/
■親子で楽しむGWファミリー公演「はじめての『白鳥の湖』~楽しいお話と第3幕~」
【日程・主な出演者】
4月28日(日)12:00 オデット/オディール:榊優美枝 ジークフリート王子:柄本弾
4月29日(月・祝)12:00 オデット/オディール:中島映理子 ジークフリート王子:生方隆之介
会場:東京・東京文化会館 大ホール
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2450768(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2450768&afid=P66)
公式サイト
https://www.nbs.or.jp/stages/2024/firstswan/