『ゴッホ・インパクト―生成する情熱』箱根・ポーラ美術館で開催  ゴッホが多方面に与えた影響を検証し、その魅力に迫る
フィンセント・ファン・ゴッホ《アザミの花》1890年 ポーラ美術館蔵

2025年5月31日(土)より、箱根のポーラ美術館では、『ゴッホ・インパクト―生成する情熱』展を開催する。アルル時代の風景画《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888年)、サン=レミ時代に身近な自然を捉えた《草むら》(1889年)、オーヴェール時代の静物画《アザミの花》(1890年)と、ゴッホの3点の油彩画を収蔵するポーラ美術館が、開館以来初めて開催するゴッホをテーマとした展覧会だ。

『ゴッホ・インパクト―生成する情熱』箱根・ポーラ美術館で開催  ゴッホが多方面に与えた影響を検証し、その魅力に迫る

フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》1888年 ポーラ美術館蔵

炎のようにうねる筆致と強烈な色彩、そしてドラマチックな生涯が相まって、世界的にも人気の高い、ポスト印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)。37年という短い生涯の中で2000点に及ぶ作品を残したことで知られる彼は、各時代ごとに忘れがたい名作を生み出した。その原動力となったゴッホの「パッション(情熱/受難)」は、芸術や文化に様々な影響を及ぼした。同展では、ゴッホのパッションが各方面にもたらしたインパクトを検証するとともに、その作品に備わる魅力を考える。とくに興味深いのは、ゴッホと日本との関係だ。そもそもゴッホは日本を夢見てアルルに移住したほど日本を愛した画家だったが、逆にゴッホに影響を受けた日本の画家も少なくない。たとえば岸田劉生は、文芸雑誌『白樺』などが紹介したゴッホに感銘を受け、その影響を如実に示した《外套着たる自画像》などを制作しているし、大正から昭和にかけて活躍した前田寛治のように、ゴッホ終焉の地オーヴェールを訪れた画家も数多くいた。

現代では日本を代表する美術家、森村泰昌がゴッホにまつわる様々な作品を制作している。同展では初公開となるポーラ美術館の新収蔵作品を通じて、森村によるゴッホ関連の作品の全貌を明らかにする。

『ゴッホ・インパクト―生成する情熱』箱根・ポーラ美術館で開催  ゴッホが多方面に与えた影響を検証し、その魅力に迫る

森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホ/青い炎)》2016年(平成28) ポーラ美術館蔵copyright the artist, courtesy of ShugoArts

そのほか、福田美蘭、桑久保徹、インドネシア出身でオランダを拠点に活動する映像作家フィオナ・タンなどの、ゴッホやその作品に着想を得た現代美術も紹介する。



<開催概要>
『ゴッホ・インパクト―生成する情熱』



会期:5月31日(土)~11月30日(日) ※会期中無休
会場:ポーラ美術館 展示室1、2、3
時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
料金:一般2,200円、大高1,700円
公式サイト:
https://www.polamuseum.or.jp/

編集部おすすめ