BL東京開幕5連勝にも「もっともっと」、指揮官はリーチのリーダーシップを称賛
リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京/写真右)、ワーナー・ディアンズ(同/左) (C)スエイシナオヨシ

開幕5連勝には理由がある。東芝ブレイブルーパス東京は『NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24』開幕戦で静岡ブルーレヴズを相手に43-30で逃げ切ると、第2節・東京サンゴリアス戦26-19、第3節・コベルコ神戸スティーラーズ戦46-39、第4節・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦24-20と立て続けに手に汗握るシーソーゲームをものにし、前節はメンバーを入れ変えながら昇格組の三重ホンダヒートから40-12できっちりボーナスポイントを獲得。

5連勝スタートにも、リーチ マイケル主将は勝って兜の緒を締めた。



「4連勝してきて、去年の王者にも勝って、あまり勘違いしてほしくない。今週の試合は一人ひとりのメンタル面や言動を注意したから、このような試合ができた。去年のチームだったら負けていたと思う。主将としてずっと言い続けたけど、今日はスタートから良かった。80分間ハードに戦っていると思う。


『リーグワン』はキツイ。毎試合キツイ。5%自分たちのパフォーマンスを下げたら勝てない。ホンダはこれまでいろんなチームに点差を付けられているけど、100%出さないと勝てない。本当、面白い。どうやってモメンタムコントロールするか。
多くトライを取ったけど、東芝が圧倒的に圧勝したという感じがしない。でも試合をやっていて、本当に楽しい」



BL東京開幕5連勝にも「もっともっと」、指揮官はリーチのリーダーシップを称賛

リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京) (C)スエイシナオヨシ

プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選出されたSOリッチー・モウンガは「誰も満足はしていない」と強調した。
「ホンダがいろいろなアタックを仕掛けてきてやられた部分もあった。モメンタムを取り合う展開になった。勝ったことはうれしく思うが、まったく満足はしていない。僕らが目指すところはもっと上なので、そこを目指してここからまた練習を続けていきたい。


チームの中の全員が『この状態が居心地いいな』『これでいいや』と思っている選手はいない。毎週、相手は違った準備をしてきて、違った脅威がある。5連勝はうれしいし、がんばってきた証明ではあるが、長いシーズンなので慢心せずに向かっていきたい」



日本代表LOワーナー・ディアンズもすべてのプレーで「もっともっと」と貪欲な姿勢を覗かせた。
「(ラインアウトに関して)もうちょっといけると思う。
(タックルについて)もうちょっとバリエーションを持って、低いタックルもしないといけないと思うので、タックルの種類をもっと増やしていきたい。
ワークレートはいつでももうちょっと上げたいと思っている。

今が良くても、さらに良くしたいし、後半のきつい時間帯に疲れが出てしまう部分もあるので、もうちょっと上げたい。
今日はキャリアの回数が多かったが、その後の動きをもうちょっと良くしていきたい」



BL東京開幕5連勝にも「もっともっと」、指揮官はリーチのリーダーシップを称賛

トッド・ブラックアダーHC(東芝ブレイブルーパス東京)

1月22日の定例会見に登壇したトッド・ブラックアダーHCは次のようにこれまでの戦いぶりを振り返った。
「フォーカスしているのは、どれだけ成長してこられたかという点。素晴らしいラグビーを繰り広げていると思うし、ゲームにはたくさんのファンが足を運んでくれて、チームはスペシャルなものへ向けて積み上げていると実感している。先週はバイウイークでチェックポイントミーティングを行った。そこで自分たちがこれまでうまくいっていること、うまくいかないことを振り返るいい機会にできた。

ここまで戦い、選手は誇りに思う。レジリエンスという耐えて逆境を跳ね返す力があり、いろんな状況にアダプト(順応)できている」



具体的な収穫と課題はこうである。
「KPI(重要業績評価指標)を設けて、自分たちのターゲットをしっかり定めている。アタック、ディフェンスの両面のレジリエンスで順調に進んでいる。そんな中大きな課題もまだまだ存在する。例えばラインアウトのアタックであり、テリトリーの部分、スクラムももっともっと良くしないといけない。

ドライビングモールの得点はまだない。細かいところを挙げればまだまだあるが、そこは割愛したい。自分たちのラグビーは成長しているし、これからも成長できる余地がある。自分がワクワクしているのは、自分たちはまだまだ学ぼうとしているし、リーダーのリーチや原田(衛)が素晴らしい仕事をしてくれている」



BL東京開幕5連勝にも「もっともっと」、指揮官はリーチのリーダーシップを称賛

シャノン・フリゼル(東芝ブレイブルーパス東京) (C)スエイシナオヨシ

5連勝発進の要因はFLシャノン・フリゼルとSOモウンガ、オールブラックス勢の加入だけではないと指揮官は語った。
「彼らが連勝の要因なのかよく質問を受けるが、自分はこれまでの5年間でしっかり基礎・土台を作ってきたからこその結果だと思っている。しっかりビジョンを持ってモウンガ、フリゼルのふたりを獲得した判断によって、こういう結果につながっている。ふたりが加わった時にチームの基礎がしっかりできているので、彼らのベストをしっかり引き出せていると思うし、彼らはふたりだけでチームをリードする必要がない。彼らは経験豊富、100%準備するといういい習慣を持っている選手。その重要な習慣をチームにもたらしてくれているし、逆に自分たちは彼らにより良くプレーできるようなチャンス・環境を与えられていると思う。彼らは力強い助けになっている」



リーチのリーダーシップも称賛した。
「リーチのリーダーシップは素晴らしいし、彼をサポートするリーダー陣の原田も貪欲に学ぼうとしていて素晴らしい。リーチは勝ちたいという強い気持ちを持っているだけではなく、そのために文化を植え付けようと強い意志を持っている」



中断前にトヨタヴェルブリッツ戦が控える。
「今週のトヨタ戦はバイウィーク明けの試合なので、新たな姿を見せたい。トヨタ戦のみに集中しているし、すごく楽しみなチャレンジ」



トヨタV戦後には1か月強の中断期間が待っている。「2月の中断期間に自分たちのやることはここまでのラグビーを振り返る、選手たちをリフレッシュさせる、コーチたちはしっかり時間を費やして準備すること。リコー(ブラックラムズ東京)とのプレマッチも予定している。試合に出続けた選手もここまで出場機会がなかった選手も全員が準備できるようにして、重要な後半戦へしっかりいいスタートを切られるよう準備したい。しっかり準備して(横浜)キヤノン(イーグルス)戦を迎えたい」



BL東京開幕5連勝にも「もっともっと」、指揮官はリーチのリーダーシップを称賛

荒岡義和社長(東芝ブレイブルーパス東京)

定例会見には荒岡義和社長も出席。5連勝スタートを喜びつつ、事業面の話をした。
「ここまで5連勝、調べたら12シーズンぶりのこと。勝ったり負けたりしながら、最後連勝して追い上げていくシーズンが2シーズンとは続いたので、今季はチーム状態をどう維持していけるか楽しみにしている。
ホストゲーム3試合を経て、事業面はどうか。第5節までに『NTTリーグワン2023-24』の平均入場者数は1万325人で前年比180%。私どもはホスト3試合で9792名、昨季160%以上という数字になっている。事業側としてはもっと爆発的に増やしたいと思っている。目標平均入場者数の8000名はクリアしているが、なかなかシビアな数字を突き付けられていると思うが、これは時間をかけて増やしていきたい。グッズの売り上げは、第5節終了時で昨季シーズンの売り上げに等しい数字となっている。今季よりジャージのデザインを変えてレプリカが売れているのと、スター選手が来てタオルが売れているのが要因。ファンクラブの会員も昨季7400名から今季はすでに1万超えた。着実に興味を持っていただき、応援しようという人が増えている。協賛会社は100社から120社に増え、東芝を除いた売り上げも昨季の2億円から、目標である2.5億円を超えた。TOKYO MXさんとも契約し、今後どう伸びていくか、期待している」



果たして、BL東京は6連勝で中断期間を迎えるのか。1月27日(土)・豊田スタジアムでの『NTTリーグワン2023-24』第6節・トヨタV戦を経て、2月24日(土)・秩父宮ラグビー場での第7節・横浜キヤノンイーグルスまで1か月強の中断期間に入る。トヨタV戦のチケットは発売中、横浜E戦のチケットは2月2日(金)一般発売。トヨタ戦の模様はBS日テレにて生中継。



取材・文:碧山緒里摩



東芝ブレイブルーパス東京/ジャパンラグビーリーグワンのチケット情報
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=11027036



NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24の特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-leagueone/