倍賞千恵子×木村拓哉、山田洋次監督最新作『TOKYOタクシー』で実写初共演【松竹創業130周年記念作品】
「松竹創業130周年記念 TOKYOタクシー」制作発表より

松竹創業130周年記念作品として、山田洋次監督の最新作『TOKYOタクシー』が製作されることが決定。松竹が1月23日、都内で行った「松竹創業130周年記念2025-26ラインナップ発表会」で明らかになった。

昭和から平成、令和と、日本に生きる人々を長年描き続けてきた山田監督が、刻々と変化する大都市「東京」を舞台に人生の喜びを謳いあげる感動の物語。山田監督をはじめ、出演する倍賞千恵子、木村拓哉の3人が会見に出席し、意気込みを語っている。



倍賞千恵子×木村拓哉、山田洋次監督最新作『TOKYOタクシー』で実写初共演【松竹創業130周年記念作品】

木村拓哉

タクシー運転手の宇佐美浩二(木村)は、ある日、85歳の高野すみれ(倍賞)を東京の柴又から、神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになった。すみれは浩二に、いくつか寄り道を依頼する。次第に心を許したすみれは、自らの壮絶な過去を語り始める。偶然出会ったふたりの心と人生が、大きく動いていることになる。フランス映画『パリタクシー』を原作とし、撮影は2025年2月~4月、東京近郊で行われる予定だ。



山田監督は「内容は重いが、とても軽快でユーモラスに楽しく見られた」と、原作『パリタクシー』について言及。「今は世界全体が重苦しく、先行きの知れない、とても辛い時代。だからこそ、軽やかな作品を見たいという思いが、僕にも観客にもあると思った」と、本作の製作意図を語った。



倍賞千恵子×木村拓哉、山田洋次監督最新作『TOKYOタクシー』で実写初共演【松竹創業130周年記念作品】

山田洋次監督

倍賞演じるすみれについては、「さくらが、すみれさんに……。すみれという可憐なイメージの名前ですが、柴又育ちで戦災にあっていて、重い重い人生を背負っている」と説明。

フランス版に主演したリーヌ・ルノーは、撮影当時90歳を超えており、「倍賞さんは、まだ足りない」と、現在83歳の倍賞にエールを送る。



長年、山田組を支える倍賞は「最初はすごく嫌なおばあさんなの(笑)。山田監督の作品で、こんな辛辣なセリフ、言ったことないなって」と、チャレンジングな役どころを語り、「大好きな木村君、いまもカッコ良さは変わっていない。とても楽しみにしております」と笑みがこぼれた。倍賞と木村の共演は、長編アニメーション『ハウルの動く城』以来で、実写作品では初共演となる。



倍賞千恵子×木村拓哉、山田洋次監督最新作『TOKYOタクシー』で実写初共演【松竹創業130周年記念作品】

倍賞千恵子

木村が山田監督の作品に出演するのは、『武士の一分』以来19年ぶりで、「そんなに時間が経っているんだと自分も驚きました」。それでも「もう一度、山田組に参加させていただけることに、何の迷いもなかった」と、オファーを即決したと告白。「緊張感があるんですが、温かい現場。常に登場人物の心を丁寧に導いてくださるので、今からすごく楽しみです」と期待を寄せた。また、倍賞に対しては、「長きにわたり、山田組に咲き続けているお花だと思っています。現場で、どうやって咲き続けてくださるのか、そばでずっと拝見したい」と、最大限のリスペクトを示した。



倍賞千恵子×木村拓哉、山田洋次監督最新作『TOKYOタクシー』で実写初共演【松竹創業130周年記念作品】

山田監督によると、木村演じるタクシー運転手の宇佐美は「日常を大切に生きる平凡な男」だといい、「普段、人には見せない素顔が出てくると、とっても魅力的だなと思う。

他の作品では見ることのできない、木村君の優しい面、温かい面を“盗み撮り”たい」と、こちらも再タッグに心躍らせていた。



取材・文=内田涼



<作品情報>
『TOKYOタクシー』



11月21日(金) 全国公開



監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝原雄三
原作:映画『パリタクシー』(監督・脚本・プロデューサー クリスチャン・カリオン/脚本 シリル・ジェリー)
音楽:岩崎太整
出演:倍賞千恵子、木村拓哉

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