アマプラ値上げで脱Amazon宣言? ポイント狙いは楽天、サービスの質でヨドバシ、PayPayユーザーはYahoo!…ぴったりのECサイトはどこだ!?

Amazon」の有料会員サービス「Amazonプライム」の年会費が年4900円から5900円(税込)に値上がり。突然の発表に、ほかのネットショッピングサイトへの乗り換えを検討する声も見受けられている。

そこで節約アドバイザーの和田由貴氏におすすめのネットショッピングサイトについて教えてもらおう。

送料無料でお急ぎ便が利用可能で、映画・アニメの視聴から音楽・本まで楽しめる「Amazonプライム」。日々の買い物からちょっとした娯楽まで楽しめるので、もはや日常生活に欠かせない存在になりつつある人もいるだろう。

あまりの便利さゆえ、1000円の年会費値上げだからといって退会するユーザーはさほど出てこないと考えられる。とはいえ、これを契機にAmazonプライムのサービス性を見直し、別のネットショッピングサイトに乗りかえを検討している人もいるだろう。そこで節約アドバイザーの和田由貴氏とともに、商品の品揃えやサイトの見やすさなど、Amazonと違う特徴を持つサイトを検証していきたい。


お得にポイントを貯めるなら国内の雄「楽天市場」一択!?

国内のネットショッピングサイトの雄として真っ先に思い浮かぶのが「楽天市場」だろう。

「国内発のECサイトのなかで最大規模を誇る楽天市場は、Amazonに比べると商品ラインナップの質がいいのが特徴。というのも、Amazonは審査が簡単で誰でも簡単に出品できる分、大手のみならず個人や零細業者など身元がよくわからない出品者もいるので、商品の質のバラつきが激しい。ですが楽天市場は出店料、システム利用料が高く、怪しいストアや出品者が参入しづらいマーケットが出来上がっており、比較的安心して買い物ができるようになっています。

ただしUI(ユーザーインターフェース)がいまいちで、“スーパーマーケットのチラシ”と揶揄されるほどごちゃごちゃしたつくりになっていると苦言を呈す人も多く、個人的にもそのUIに関してのマイナス点は否定できません。
ただ、すべての商品に対応しているわけではないですが、『同じ商品を安い順で見る』といったボタンがありまして、クリックすると価格順で表示してくれるんです。ですから同じ商品だけど出品ストアが多くて選ぶのが大変というときには、わりと便利かもしれませんね」(和田氏、以下「」内コメントは同)

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さらに「楽天ポイント」がお得に貯めやすくなるのも楽天市場最大のメリットだ。



「楽天市場では、ポイントが最大15.5倍にまでアップする『SPU(スーパーポイントアップ)』という制度を設けています。たとえば、『楽天カード』で買い物、『楽天トラベル』で月1回5000円以上支払うなど楽天のサービスを利用することで、段階的にポイント還元率が上がる仕組みとなっていて、Amazonと比較するとかなり効率的にポイントを貯められるんです。

ほかにも楽天所属のスポーツチームが勝利するだけでポイント最大3倍、日付に0と5が付く日に楽天カードを利用するとポイント最大5倍などキャンペーンが多いのも魅力。そういったポイントは期間限定のケースが大半なので注意が必要ですが、ポイントの貯まりやすさはAmazonより楽天のほうが圧倒的に上でしょう」

送料無料で最短2時間半のヨドバシ、掘り出し物もあるYahoo!

商品の到着スピードやサービスの質のよさを望むのであれば、家電量販店「ヨドバシカメラ」が運営する「ヨドバシ.com」がいいと和田氏は語る。

「ヨドバシ.comは、商品ラインナップ数ではAmazonや楽天市場に遠く及ばないものの、家電製品から日用品、食品まで網羅しているのでふだん使いする分には困りません。そして発注から梱包、発送まですべて自社の店舗内で行うので商品の取り扱いが非常に丁寧です。

何より注文1品からでも送料無料になるというのがありがたいところ。

しかも、対象地域であれば追加料金なしに最短2時間30分で荷物が届く『ヨドバシエクストリーム』という配送サービスも提供していて、急に必要なものができたときには便利でしょう。

UIもカテゴリーごとに大分類から小分類へと細かく分けられており、直感的にリサーチがしやすい。総合的に評価すれば、痒いところに手が届く親切なサービス設計になっていると感じますね」

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また、Amazonなどで探している商品が見つからないときには、「Yahoo!ショッピング」を試してほしいという。

「Yahoo!ショッピングは、出店料が無料であるためストアの出店数が桁違いに多く、Amazonや楽天市場よりも上。出店数が多い分、大手が出品していない商品も紛れており、Amazonや楽天市場で見つからなかった商品が見つかりやすいんです。

またコード決済サービス『PayPay』が使えるのもメリットです。

Yahoo!ショッピングではPayPay残高、PayPayカードの支払いでポイント還元率が5%と高水準。PayPayユーザーで、探している商品が見つからないときはYahoo!ショッピングを探してみると思わぬ収穫があるかもしれませんよ」

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ほかにもYahoo!とアスクルが共同で運営する「LOHACO」も注目すべきショッピングサイトだそうだ。

「LOHACOは、主婦層からの支持が厚いサイトでして、UIがシンプル、かつカジュアルで探しやすいつくりになっていることが特徴。日用品から美容品、おしゃれな食品まで揃っていて、掘り出し物を見つけやすいんです。

クーポンの充実度も抜群で、たとえば『まとめ割りクーポン』は異なるカテゴリーの商品をセットで購入することにより割引されるようになっており、リーズナブルに買い物を済ますことができます。

また『無印良品』、『成城石井』、『カルディ』などの有名ブランドの商品も購入できるのもうれしいところ。

しかも送料がそれぞれの専用ECサイトで買うよりも抑えられることが多く、お得になりやすいです」

目利きが得意ならメルカリ、SHEINもおすすめだが注意点も…

ほしい商品をできるだけ安く手に入れたいのであれば、やはりフリマアプリ「メルカリ」が強いそうだ。

「メルカリはCtoCのフリマアプリですので、質の悪い商品やお得か判別しづらい商品があるものの、目利きがうまければ新品に近い品質の商品をリーズナブルに買うことができます。個人が撮影した写真ですと、もののよし悪しの判別がつかず、結果的に損をするというケースが珍しくありませんが、最近は法人もどんどんメルカリに参入してきていますので、信頼できる出品者を探しやすい環境になりつつありますね。

UIも画像が大きく表示されているため、文字やバナーでごちゃごちゃしておらず、感覚的に操作しやすい。他社サイトでやや高いと感じた商品がある場合、メルカリで探すというクセを付けておくと上手に買い物できると思います」

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ここまで紹介してもらったサイトは、どれも商品を総合的に取り揃える傾向のあるECサイトだが、アパレルに限ると「SHEIN」も若者の間で人気のサイトだとか。

「SHIENは、中国発のアパレルECでして、ファッションからコスメまで最新のトレンドをキャッチしたアイテムがライナップされています。

ですが、最大の特徴は商品の圧倒的な安さ。実店舗を持たず、すべて自社工場から直接発送をするので人件費、中間マージンが発生せず、破格の安さを実現できているのです。

ところがSHEINは、世界各地でデザインの著作権侵害に問われており、トラブルも多いのが気になるところ。安さとコスパのよさは評価できるものの、将来的には予想だにしない問題が発生する可能性もあるため、その点も頭の片隅には入れておくべきでしょう」

今回紹介したネットショッピングサイトは、それぞれ特徴や強みが異なっており、役立つシーンはそれぞれ異なるだろうが、和田氏はやはりこの2サイトがおすすめとのこと。

「もちろん好みの部分もあるので、一度利用してみて自分のお気に入りサイトを見つけてほしいですが、個人的にはヨドバシ.comと楽天市場がイチオシ。日用品や消耗品がすぐに必要なときはヨドバシ.comで頼むのが手っ取り早いです。送料無料ですし、届くスピードが段違いに速いのがいいですね。ポイントを貯めたければ、間違いなく楽天市場が一番。購入したい商品を買い物かごに入れておいて、キャンペーンが開催されたときにまとめて買うとポイントがお得に貯められますよ」

取材・文/文月/A4studio 写真/shutterstock