〈海岸に保育士遺体〉「ええっ!」亡くなったことに驚いた素振りをみせた金髪のプロキックボクサー、被害女性は家を出る前に容疑者のブログを閲覧、家族が所属ジムに問い合わせると…
〈海岸に保育士遺体〉「ええっ!」亡くなったことに驚いた素振りをみせた金髪のプロキックボクサー、被害女性は家を出る前に容疑者のブログを閲覧、家族が所属ジムに問い合わせると…

宮城県岩沼市の海岸で4月13日朝、保育士の行仕由佳さん(35)=仙台市太白区=の刺殺体が見つかった事件。県警に死体遺棄容疑で逮捕されたキックボクサーの佐藤蓮真容疑者(21)=岩沼市=の所属ジムに、行仕さんの親族から佐藤容疑者と連絡をとりたいという問い合わせの電話があったことがわかった。

行仕さんの部屋に開いたままのパソコンがあった

行仕さんは佐藤容疑者の試合を度々観戦に訪れるなどファンとして応援していたといい、遺体で見つかる前日にも試合のチケットを容疑者から直接受け取る約束をしていたという。

♯1でも報じたように、佐藤容疑者は4月20日にもプロ選手としてキックボクシングの興業を控えていた。興業関係者が取材に重い口を開いた。

「蓮真は4月20日に試合を控えていましたが、特段変わった様子には見えませんでした。試合前には不安になったりもしますが、そういう意味でも蓮真の態度がおかしいとは思いませんでした。

ただ、少しだけは気になってはいました。なぜなら、蓮真から『12日に行仕さんと会った』という話は聞いていましたから。13日には蓮真の通うジムに行仕さんの親御さんから『娘の姿が見えなくなった。蓮真さんと繋いでほしい』と問い合わせもあったようです。というのも、行仕さんの部屋に開いたままのパソコンがあって、そこに蓮真のブログが表示されていたようなんです」

佐藤容疑者は関係者にも行仕さんの存在を話題にすることがあったという。

「蓮真は行仕さんのことを『試合を応援してくれてる人で、12日もチケットを渡しに行っていた』と言っていて、これまでも何度か試合に応援に来てくれたとのことでした。そんな話の直後に行仕さんの遺体が出たってネットニュースで見て私も驚きました。

ただ、蓮真はそんなことできるタマじゃないと思っていたので、当初は事件と蓮真が直接は結びつきませんでした。

遺体発見後にも蓮真と会ったので、『亡くなったってニュースになってるけど』って携帯を見せましたよ。その時も蓮真は『ええっ』って驚いた素振りをしていましたが、特別不審には思いませんでした。

ただ、犯人じゃないにしろ、蓮真が何か知ってはいるんじゃないかと思ったりはしました。結局、蓮真は20日の試合に来ませんでした。蓮真は小さい頃からキックボクシングをやっていて、一度は辞めたんですが、また頑張っていたのですが……」

「チケットがファイトマネーということも多いです」

佐藤容疑者がプロ選手として出場していたキックボクシングの大会関係者は、こう証言した。

「佐藤選手は大会で何度か見たことあります。小学生の頃からジムに通って、アマチュアで経験を積んでプロに進んで順調にステップアップした選手です。それなりに強かったし、所属ジムとしても今後を期待して育てていたと思います。

彼の所属ジム主催の大会でも活躍していましたし、その大会自体も参加するジムを厳選しているような印象がありました。地下格闘技のような“ヤカラ”がいるとかではなく、格闘技にひたむきに取り組んでるジムを選んでいるというか、そんな風に私には見えました。

佐藤選手に関しても悪い噂や何かトラブルを起こしたという話を聞いたこともなかったので、今回の事件については驚きました。プロの格闘家といってもよほど大舞台でなければ、チケットがファイトマネーということも多いです。ですからチケットを買ってもらうためにお客さんとふだんから交流して関係が密になるということはよくあるんです」

 容疑者のブログの最後の投稿は3月24日

ひたむきに練習に取り組み、力をつけてきた若手格闘家と、それをファンとして支えた35歳の女性保育士。

行仕さんがパソコンで閲覧していたとみられるブログは、佐藤容疑者が今年1月に開設したばかりで、投稿数もまだ10件に満たない。

<2025年の抱負。 1年を振り返った時、どうなっているかな 選手としての目標は全戦全勝。はもちろん、今年でプロ3年目を迎えるのでそろそろ内容にもこだわり、KOを魅せます まずは怪我のないように。勝てばいいだけの試合では高いチケットを買って見に来てくださるお客さんに対して何も響かないので、今年は覚悟とリスクを背負って1人でも多くの人の活力になるように頑張ります>

ほかにも、他道場に出稽古に行ったエピソードや、指導員としてやりがいを見出す場面、仲間や友人への感謝の思いなどを短いながら飾り気のない文章で伝えている。最後の投稿は3月24日。そこでは4月20日の次戦に向けてこう綴っていた。

<自分も出場するのでチーム一丸となってみんなで勝ちましょう>

事件の全容は、まだ見えない。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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