かつての定番お土産「ペナント」が蘇る
(上)ユトレヒトのふろ場で温泉ペナント展示中、(中)ぺナント型記帳ノートとしおり、(下)今回限定発売される草津のペナント500円
1950年代から80年代前半まで、お土産屋には必ずあった地名入りのペナント。私も林間学校や修学旅行で訪れた先で「日光」などとでかでかと書かれた三角形の布を買って帰った思い出があるが、それは女子よりは男子に圧倒的に人気のお土産であった。
気取ったバリキャリがこっそりと「りぼんの付録」を思い出ダンボールにしまいこんでいるのと同様、そこのビジネスマンのあなただって、実家に帰ればペナントの1、2枚くらい隠し持っていたりするのではないだろうか。

この4月27日刊行予定のパルコ出版『ペナント・ジャパン』(懐かしのペナント100点の豪華写真と、歴史などに迫った本、1890円)によると、現在、このペナントは土産店には全く置かれていないのだとか。カメラがまだ高級品だった時代、旅の証拠・思い出という大切な任務を負わされていたペナントも、もはや役割を終えたということらしい。

さて、そんな「幻のお土産」ペナントが、今おしゃれ少女が集う代官山の書店「ユトレヒト」に大集合していると聞き、さっそくカメラを片手に訪れてみた。

ユトレヒトが入っている代官山パンションは、東京オリンピックの年に建てられたとてもクラシックな佇まいのマンション。『ペナント・ジャパン』の著者である谷本研さんも、まさに本の内容にぴったり!とここでの展示会をとても喜んでいるのだとか。
今回は、ユトレヒトの風呂場を改造したギャラリー部分に展示するとあって、温泉地のペナントばかりを集めている。道後、伊香保、草津、伊東など、並ぶ地名も昔ながらの温泉地ばかりで、最近OLに大人気の黒川温泉などは、見た限り無いようである。

記帳用のノートも写真のようにペナントをかたどったり、『ペナント・ジャパン』購入者へのおまけもペナント型のしおりだったりと、「こんなにペナントを愛してる人間がいるだろうか」と圧倒される徹底ぶり。

ちなみに、現在土産店で購入できないペナントも、ここでは「草津」のものを限定20枚発売中。谷本さんが取材で訪れたペナント工場が好意でデットストックを当時の定価500円で提供してくれたんだとか。

永遠の男子たちよ、あの頃の自分にひと時戻れるかもしれない代官山ユトレヒトへ、この週末にでも足を運んでみてはいかがだろうか。
ペナント展示は25日(日)までユトレヒトで開催中です。