「黄桜」のカッパには元祖があった
(上)「小島 功 美女と遊ぶ」展(下)モニターに流れていた黄桜CM。うーんセクシー!
先日、東京都大田区で開かれていた「小島 功 美女と遊ぶ」という展覧会に出かけてきた。

小島功氏と言えば「黄桜酒造」のカッパのイラストがあまりにも有名な漫画家。
昭和3年に生まれた氏は、「ヒゲとボイン」「オシャカ坊主列伝」等の作品を代表作に持ち、平成2年には紫綬褒章を授与されている。画業60年を迎えられたらしく、この展覧会もそれを記念したものだ。

会場には、お色気たっぷりの美しい女性のイラストや、黄桜のカッパグッズ(その昔実際に走っていたという幻のカッパタクシーの写真も!)など、それはそれは素敵な作品が多数展示されていた他、入り口のモニターでは黄桜のCMが数バージョン流れていた。このCMのセクシーカッパに幼い頃の私はノックアウトされたものだった…。

会場にあった説明の中に、ひとつ気になるものがあった。小島氏は黄桜のかっぱを「昭和49年に引き継いだ」というのである。
なんと、小島功氏の黄桜カッパは元祖ではなかったというのか!

家に帰って早速調べてみたところ、「(黄桜は)1955年に清水崑氏のかっぱをキャラクターとして採用した」とあった。こちらをご覧いただきたい。小島功氏のカッパが色気ムンムンなのに対し、清水崑氏のカッパは確かにセクシーではあるものの、どこかのほほんと朗らかで、また違った魅力を感じるではないか。

プロフィールによれば清水崑氏は「大正元年生まれ。『かっぱ川太郎』『かっぱ天国』の連載によって新しいかっぱ像を創り出した」とのことで、「(黄桜の先代社長が、)ほのぼのとした雰囲気の崑カッパと <誰にでも親しめるおいしい日本酒−黄桜>の精神に通じるものを感じ、ブランドキャラクターとしての使用を申し入れた」という経緯があったらしい。清水崑氏がお亡くなりになった後、1974年に小島功氏がかっぱを引き継がれて、現在に至るというわけなのだ。
かっぱに歴史あり!

それにしてもこの黄桜酒造のホームページ、昔懐かしいCMを見ることができたり、小島氏の手によるカレンダーイラストを堪能できたりと内容盛りだくさん!中でも「カッパッパ ルンパッパ」の歌詞が耳にこびりついて離れないあの「かっぱの歌」が歌詞つきで聴けるのには感涙…。ぜひ覗いてみてください!(スズキナオ)