お肌においしい“ゆずの種化粧水”
この“ゆずレディー”、ゆずの収穫時期にしか入荷されないので、手に入れるなら今の時期みたいですよ。
まず写真を見て、これがなんだかわかりますか?
広口のびんに入って、小粒のらっきょうに見えるもの、これが“ゆずの種”。

はじめて見たときは「へえ〜、ゆずの種って食べられるんだ」と思ってしまったのだが、なんとこれ、化粧水。
ゆずの種を焼酎に漬けたものなのだ。
どう見ても酢漬けか調味料にしか見えないが、残念ながら食べられません。

日本橋にある島根県のアンテナショップ「島根館」で見つけたこの“ゆずレディー(735円)”という名の化粧水は、ゆずの里といわれる島根県の美都町で作られたもの。地元の女性たちはこのようにゆずの種を焼酎で漬け込んだ化粧水を昔から使っているんだとかで、日焼けによるシミを防ぎ、抜群の美白効果なのだという。
確かにゆずって入浴剤に使われるから肌によさそうなイメージはあったけど……まさか種が化粧水の原料になるとは。

入手してみてふたを開けると、種のまわりにたっぷりとゼリー状のものが。
これは果物ジャムを固める働きをもつペクチン質で、ビタミンCや保湿成分をたっぷり含んでいるのだ。
プルプルしていて美味しそう。思わずスプーンですくって食べてしまいたくなるが、お顔やボディに塗って使いましょう。肌の上にのばすと糸をひきそうなぐらいヌルヌル〜。しかしベトつくかと思いきや、すぐに馴染んでサラサラに変わるから不思議。アルコールのせいか? これは脂性の肌や男性のヒゲ剃り後にもよさそうだ。

香りはアルコールが苦手な人にはちょっとつらいけど、まさに“ゆず酎ハイ”を飲んでいるような気分に。そして翌朝はお肌がスベスベになっていて、キャッチコピーの“お肌においしい”というのもうなずけるのだ。

さらにこの化粧水のすごいところは、使い終わった後に焼酎を足せばまたつかえるようになるということ。
アルコール度数20度未満の焼酎を、6回(約半年分)ほど足して使えるというから実に経済的! しかし2〜3週間漬け込まないと成分が抽出されないので、2瓶用意して交互に使うのも手。
私は最初の一瓶を使い終わり、焼酎の代わりに泡盛を足して現在使っていますが、日本酒を入れてもよさそう。

本来なら捨てられてしまうはずの種が、こんなふうに利用できるとは。

防腐剤などの化学物質も使われていないし、まさに今流行のLOHAS(ロハス)なコスメではないか。もちろん鍋などで使い終わったゆずの種を使って自分で作ってみるのもよしかと思うが、これだけの量を集めるのはたいへんそうだ……。
(いなっち)