暑い夜はホットビールで暑気払い
日本酒を意識して徳利と猪口に入れてみたところ、ちょっと不気味な雰囲気に。本来ならホット専用のグラスなどでいただくビールです。
先日コネタ記事で、ビールをホットにして飲んでみたら美味しくなかったという内容のものがあったが、実はホット「専用」のビールは存在するのである。

それは「リーフマン グリュークリーク」という、ちょっと渋い名前のベルギービール。

飲み方は簡単で、レンジの熱燗モードで暖めてもいいし、湯煎してしまってもいい。温度はちょっと熱めの40度後半くらい、という日本酒のノリなのだ。

試しに呑んでみたところ、とにかく甘い。何も言われずに出されたら「甘味の強いホットワイン」と答えてしまいそうな味だった。
渋い名前だが実はこのビールはサクランボ味。さらにビール特有の苦みや喉ごしは全くといっていいほどに無く、いつものビールとはほど遠い。
ただ舌の上でピリピリとかすかな炭酸が主張してこれはビール……か? と気づく程度のビール加減である。
試しに冷やして呑んでみたところ、香りが押さえられたアッサリ風味。不味くはないがちょっとがっかりする。

ちなみにベルギービール、といえば有名な銘柄だ。ベルギーは寒い地方なのでワインが作れず、大麦によるビール造りが流行ったのだとか。
そんなベルギーでは、さまざまな材料でバラエティーに富んだビールを造っている。

ビール専門店のベルギーコーナーを見たところ、あるわあるわ「カシス」「スパイス」「木イチゴ」などの味が付いたビールの数々。世界的にも有名だというのに、そこで止まらずチャレンジし続けていく姿勢が素晴らしい。
ただしスパイスなどが入っているため、表記上の分類はビールではなく「発泡酒」。ビールは苦手という女性でもすんなり飲めてしまいそうな味揃いだ。

なお「リーフマン グリュークリーク」も女性を中心に人気の味で、ベルギーでは主にクリスマスなどに呑むものなのだとか。卵酒風に、風邪の時に呑むのもいいかもしれない。


日本ではゲテ物あつかいされてあまり見向きもされないらしいが「暖かい時期にこそ暖かい飲み物を飲んだ方が体にいい」というのは周知の事実。暑い夏にこそ、暖かいおいしいビールで乾杯したい。
(のなかなおみ)