カツサンドにアンパンまで。魅惑のパンカツワールド
サクサクおいしそうに揚がったパンカツ。チーズやハムを挟んで揚げると、より美味しいです。
泉麻人の著書『なぞ食探偵』でも紹介されていた食べ物、「パンカツ」。
昔は縁日の屋台でよく食べられたらしく、現在は浅草にあるお好み焼き屋「染太郎」で食べることができるそう。

レシピを紹介すると、まず、水に溶いた小麦粉に挽肉を入れてかき混ぜます。それを食パンに塗ります。そこにパン粉をまぶして、ラードをひいた鉄板で焼き上げるというものですが、B級グルメクッキング愛好家としては、家庭でもっと簡単にできるはずと、自己流で作ってみました。

簡単パンカツの作り方。トンカツと同じ要領で、食パンに溶き卵とパン粉をつけて揚げるだけ。肉なしというところが、以前コネタでも紹介された「文化フライ」によく似ている。
小麦粉と油さえあれば、とりあえず腹は膨れるってところが昭和の哀愁を誘います……。とはいえ、揚げたてはサクサクッとして、何もつけなくてもじゅうぶん美味しい。パン粉との相性もよし(なにせ同じパンですから)。これで終わると、そりゃうまいに決まってんだろ、とお叱りをうけそう。実は、私が挑戦したかったのは「パンカツサンド」。そうです、パンカツをパンで挟んだ、肉を使わない偽カツサンド。


揚げたてのパンカツにとんかつソースをつけて、食パンではさむ。パン、パン(具)、パンなのに、見た目はカツサンドそのもの。そしてお味のほうも……カツサンドそっくり! 肉の歯ごたえには及ばないけれど、衣のサクサク感とソースでかなりごまかされてる〜。知らずに食べると、えらく肉の柔らかいカツサンドだな、ぐらいにしか思わないはず。単体だとただの衣のついた揚げパンなのに、サンドにすることで「肉感」がアップするとは! なんて肉(憎)らしいの……。

そしてもっとパンカツの可能性を探りたくなり、色んなパンで試してみました。

実はドイツでも固くなったパンを美味しく食べる調理法として「パンカツ」があるそうです。「カツレツ」発祥のヨーロッパですものね。伝統的なライ麦100%の黒パン「フォルコンブロート」で試してみたところ、これが懐かしの「鯨カツ」にそっくり。
もともと実がぎっしり詰まった固めのパンということもあり、歯ごたえが一番肉に近い! これがパンだとはとても信じられない……。ソースやケチャップをつけてもおいしく、ビールのおつまみにもグー。

最後はやはり甘いパンで。
アンパン、ジャムパンは、サクサクの食感が加わることでさらに美味しくなりました(まあ要するにクリスピーなドーナツなんですが)。
いろいろ美味しく食べたけど、カロリーのことを考えると恐ろしい!!
(いなっち)