貝殻粉末入りのラーメン!? 「かわうちラーメンほたて物語」
トッピングのおすすめはワカメ、ネギ、ホタテ、白ゴマとのこと
数あるご当地ラーメンの中でもひときわ変わったラーメンを見つけた。
それは青森県むつ市の「かわうちラーメンほたて物語」(2食・スープ付き、360円)。

ホタテラーメンなんて色々あるんじゃないの ? とおっしゃる方もいると思うが、なんと「かわうちラーメンほたて物語」は麺そのものにホタテの貝柱とホタテの貝殻の粉末が練りこんであるというのだ。

このラーメンを開発したのはむつ市にある川内町商工会。ラーメンに貝殻の粉末を練りこんでしまうとは!
貝殻っていうのは実はおいしいものなのだろうか? 香ばしかったりするのかな、など頭の中に色々な疑問が浮かぶ。
そこでさっそくお話を聞いてみることにした。

「ホタテラーメンというと、ラーメンの上にホタテがのっているだけ、というのが多いですが、うちのは違いますよ。何しろ麺にホタテの貝柱と貝殻を練りこんでいますから。ほんのりホタテの甘味がある麺とさっぱりとした塩味のスープが美味しいとなかなか評判がいいです。えっ、貝殻ですか? 貝殻は粉末、パウダー状といいますか、そういう状態で入っているので食べてわかるということはないですよ。麺100gあたり0.2%のホタテ貝殻の粉末が練りこんであってカルシウム豊富なヘルシー麺です。実はこの貝殻の粉末は麺のコシを強くする鹹水(かんすい)の役目をしているんです」と川内町商工会指導課長の笹沼正悦さん。

貝殻が鹹水の役目を果たしているとは! これはちょっと驚き。

「むつ湾はホタテの特産地ですが、ここでは以前から貝殻の有効利用というのも課題なんですね。
今までにも壁紙の抗菌として使ったり、道路舗装セメントに混合するなどの用途を試みてきましたが、食品関係は少なかったんです。それで何か食品にも使えないかといろいろ研究をしていく中で1150度という高温で焼いた貝殻の粉末がラーメンに使われる鹹水の代用にできることがわかったんです。それでこれを使ってラーメンを作ったらどうかと。
貝殻の粉末には味はありませんから、味の面で干し貝柱の粉末も練りこみました。貝殻の粉末の割合は0.2%です。1%とか0.5%とかいろいろ量を変えて試作して、ちょうどいい配合ということで決めました。干し貝柱の量も同様です。これも多すぎると生臭い味が出てしまうし、少なすぎてもいけません」

「まずは一度食べてみて下さい」ということで、私もさっそくいただいてみることに。

麺は細めんでほどよい縮れ具合だ。茹で時間は2分から3分となっていたのでやや固めが好みの私は2分弱に。トッピングのおすすめはワカメ、ネギ、ホタテ、白ゴマが合うということだったが、まずは素ラーメンで麺とスープを味わってみた。
透明なスープは本当にあっさりしていて、ほんのりと甘い麺によく合う。
笹沼さんも言っていたが、これ以上麺にホタテの貝柱が入っていたらちょっとくどいかもしれない。素ラーメンでも十分にいける。品のいい塩味。
そして次はおすすめのトッピングを入れて試食。んっ、塩味だけに白ゴマとネギはよく合う。もちろん、ホタテとの相性はバッチリだ。

「干し貝柱、貝殻の粉末、そして無鹹水というのがこのラーメンの3つのこだわりです。開発にあたっては商工会関係者の自助努力もさることながら、むつ小川原地域・産業振興財団という機構からのご理解ある助成の後押しも非常に大きかったです。ホタテの町川内にふさわしい物語の1ページの始まりです」と笹沼さんは商品への熱い思いを語ってくれた。

現在「かわうちラーメンほたて物語」はむつ市内のスーパーなどで発売中。
今後はゆうパックやインターネットでの通販も行う予定とのことです。ヘルシー嗜好でさっぱりが好きという方にはおすすめの一品。
ぜひご賞味あれ。
(こや)

*「かわうちラーメンほたて物語」に関する問い合わせは
 川内町商工会 電話:0175-42-2301 FAX:0175-42-3944まで
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