「プリンは3連、ヨーグルトは4連」、これはなぜ?
3連プリンと4連ヨーグルト、食べる時間帯や楽しみ方も別のようです。
なめらかでとろとろのこだわりプリンは、とても美味しいけど、スーパーとかで売っている、お手軽な「3連プリン」はまた別モノだ。
「そのときどきでいろんなプリンにハマるけど、結局、3連プリンに戻ってしまう」なんて人もけっこういる。
実は私もそのクチだ。

いわゆる「3連プリン」って、毎日食べても飽きないけど、焼プリンなどとどう違うの? 先日も登場いただいた、TVチャンピオン「菓子作り名人選手権」で優勝した森永乳業株式会社の社員・柳迫さやかさんに聞いてみると、
「3連プリンは、『ゲルプリン』といって、ゼラチンや寒天などでかためたもので、実際には焼いてないんですよ」
とのこと。

それにしても、「3連」を考えた人はエライと、常々思う。いったいいつからできたのか。
「ゼリーやプリンなどひっくるめて、日本で初めて“量産デザート”ができたのは、1971年。当社の『カスタードプリン』が第一号だったんですよ」
と言うのは、森永乳業(株)・広報IR部の越由希子さんだ。


71年というと、マクドナルドが日本に上陸した年でもあり、また、日清カップヌードルが登場した年でもある。
「洋食の食文化が日本にも合うのではないか」ということで「家庭で楽しむデザート」として生まれたのが、今も親しまれ続けている量産プリン「森永プリン」で、1個のもののほか、3連もかなり初期段階からあったのだという。

ところで、なぜ3個になったのか。
「プリンは当時、嗜好性の高いものということで、家族みんなで食べるものではなかったようです。そのため、お父さんがいないとき、子ども2人とお母さんの3人で、おやつに食べることが多かったようですね」(同・越さん)
お父さんは除け者? ちょっと可哀想だけど、これは世の常でしょうか……。

ところで、プリンは昔から3連が定番だけど、ヨーグルトの場合、最近は4連ばかり。
これはどうして? 父の威厳がヨーグルト界には存在しているからでしょうか。業界的なとりきめがあったんでしょうか。
「それはないですね(笑)。人口統計学的な観点や、お客様の声が届いたことからです」
と越さんは説明する。
「最近は、ヨーグルトを毎日食べる人が多いですよね? 2人家族や単身の場合、3個では多すぎて、余ってしまうという声が多くなっているんですよ」

森永乳業(株)でも昨年3月に「3連ヨーグルト」を終売し、4連にしたのだとか。
「4連の場合は、夫婦2人だと、2個ずつ食べられるし、核家族が多いので、家族みんなで食べても、夫婦と子ども2人で1個ずつ……といった具合に、便利なようです」
やっぱり、プリン=嗜好品、ヨーグルト=家族みんなの健康維持の食品、ということか。


ちなみに、最近は焼プリンなどをはじめとして、4連プリンも増えているそうなので、お父さんにも食べるチャンス、あります。ご安心を。
(田幸和歌子)