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レジでお札と小銭を別に渡されるのはなぜ?

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「大きいほうが……」というお釣りの渡し方にも、理由があるんです。

「大きいほうが8千円と……627円のお返しになります」

ここ何年かで、スーパーやコンビニのレジでは“お札”と“小銭”が別々で渡されるようになった気がする。
それまではずっと、お札とレシートの上に小銭が乗っかって、全部一緒に渡されていたはず。だけど今じゃ、別々なのが常識ってくらいになっている。

お札から財布へ小銭を滑らせる技術は、生きてきた中で習得した。店員さんの別々に渡す親切心なんかなくても、小銭をこぼす心配はない。むしろ全部一緒にくれた方が、お札とレシートを一緒にしまいやすいからありがたいくらいで……。

一体どうして別々になったんだろうか。スーパーの教育活動をしている、オール日本スーパーマーケット協会に聞いてみた。
「お客様と店員との間でつり銭の間違いをなくすためです。お札と小銭を別々にお渡しすることで、お釣りの受け渡しを確実にしているんです」
え、小銭をこぼさないようにってことじゃなかったんだ。

協会によると、お釣りを確認できるよう、余裕を持たせてるんだとか。一緒に全部のお釣りを渡すよりも、ミスに気付く確率が上がるってことらしい。「例えば、お客さんは1万円札を渡したつもりが、実際には5千円札だったというときにも効果的です。やはり確認の時間が増えるので、その場で思い違いを解消できるんです」

この方法を生み出した店も、急速に広まった理由も定かじゃないという。ただ言えるのは、お札と小銭を分ける店が登場して以来、取り入れる企業が相次いだってこと。
居酒屋チェーンの「和民」が始めた“おしぼりの手渡し”や“灰皿の交換”を、多くの居酒屋がマネしたように、優れた方法としてどんどん広まっていったようだ。トラブルを未然に防ぐこともできる。

ちなみに、オール日本スーパーマーケット協会では、知る人ぞ知るレジ打ちの祭典「チェッカーフェスティバル」を開催している。これは全国のチェッカー(=レジ打ち)が、レジでの対応力や技術力を高めるために行われている全国大会。投票で上位の成績を収めた人が優秀賞として表彰される。
このフェスティバルの前身の「チェッカーコンテスト」のころ成績を左右してたのは、レジ打ちの“速さ”。それが今は速さで競うことをやめて、笑顔やコミュニケーションを重視した大会になった。大切にしているのは、スピードよりも確実性。
そしてこのレジ打ちの最高峰でも、チェッカーのほとんどが、お札と小銭を分けて渡しているという。

「大きいほうが8千円と……627円のお返しになります」
接客先進国の日本で、瞬く間に広まっていったこのやりとり。
それは、優れた接客術だっていう何よりの証明。

お札から小銭を滑らせる技術は、手放してもいいと思った。
(イチカワ)

2007年8月20日 00時00分

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