おいしさそのまま“塩分1/2”の塩って?
詰め替えタイプ(180g)もラインナップの健康塩「やさしお」(90g瓶)
日本人は世界的に見ても塩分を摂りすぎる傾向にある、というのはよく言われること。これは味噌、醤油といった伝統的な調味料や漬物など塩分を使った保存食などに起因している。

塩分は人間の体に必要なミネラルではあるけれど、摂りすぎると血圧上昇やむくみの原因にもなる。

だからと言って、食事から塩分を減らしてしまうと、どうしても味がそっけなくおいしく感じないというのもまた事実。健康にも気を配りたいけれど、でもやっぱりおいしく食べたい……。
そんな日本人の食生活に朗報ともいうべき“塩分1/2”の塩、その名も健康塩「やさしお」が味の素株式会社から発売された。

減塩醤油や減塩味噌は原料の塩を減らしたものだとわかるけれど、塩の塩分1/2っていうのはどういうことなのだろう。素朴な疑問を抱えつつ、味の素(株)にうかがってお話を聞いた。


「健康塩『やさしお』は食塩(塩化ナトリウム)を半分にし、代わりにカリウム塩(塩化カリウム)を半分加えることで、塩分を通常の1/2にカットした塩です。塩分と塩味というのはイコールではないんです。味覚と成分は別のものなのです。塩化ナトリウムでなくても塩味を感じるものがあるんですよ。その代表が塩化カリウムなんですね。塩化カリウムは塩味を感じても塩分ではないので体の中に摂取されても塩化ナトリウムのような働きをしないのです。
味覚と成分は別のものなのです」と調味料部の音成さん。

なるほど……。塩味と塩分が別ものというのは知りませんでした。学生時代に勉強をさぼっていたことにまたしても反省。

「カリウムはバナナやトマトなど、果物や野菜に多く含まれている成分です。また、岩塩やにがり塩などにも含まれているんですよ。
ただ、カリウムは苦味があるので、これをどう抑えておいしくするかが大変でした」

実はこの塩分を抑えた塩というのは、数年前から病者用の特別用途食品(低ナトリウム食品)として存在はしていたが、“おいしさ”という点では今一つ。なかなか一般消費者向けというところまではいっていなかったようだ。

「苦味を抑えるため私たちが考えたのがγ‐PGA(ポリグルタミン酸)を使うことです。γ‐PGAは、納豆のネバを作っている成分でアミノ酸の1つであるグルタミン酸が30〜5000個結合したものです。この技術は当社だけの独自技術で現在特許出願中です。『やさしお』という名前には、塩分が1/2で体にやさしいということと、味がまろやかでやさしいという2つの意味を込めました」と音成さん。


「『やさしお』と普通の食塩とをトマトにつけて食べ比べてみてください」ということで、用意していただいたトマトにかぶりつく。やや、これは明らかに違います。普通の食塩はいわゆるしょっぱい、ちょっとカドがたった味だけれど、「やさしお」は何ともマイルドでまろやかな塩気。トマトの甘みが引き立つ塩味というか、トマトととてもよく合う。
そして何よりいつもと同じ量を使って、ちゃんと塩味を感じながら、というか、いつものお塩よりもおいしいのに塩分が1/2というのは何ともうれしい。さらに、量の加減もしやすく使いやすいさらさらタイプとなっている。


味の素(株)では多くの人に「やさしお」を知ってもらおうとキャンペーンを実施。
枝豆農産家とタイアップし、枝豆の袋に「やさしお」サンプル品と製品リーフレットをパックオンした「やさしお」100万人サンプリング第1弾! 枝豆パックオン60万人サンプリングを9月17日から関東、関西、中京地区でスタートするそう。

「『やさしお』の素材の味を引き出すおいしさを、まずは枝豆などでお試していただければ」と音成さん。

塩分を控えつつ、でもおいしく食事をしたい、というのは多くの人が願うこと。
「やさしお」はそんな人たちにぴったりのお塩。これは2007年のヒット商品になりそうな予感です。

(こや)

味の素(株)HP
「健康塩「やさしお」」紹介ページ*味の素(株)サイト内