いまの子は、“ドラえもんのえかきうた”がかけるか
えかきうたの解釈によって、いろんなドラえもんが……。
自分たち30代くらいで、ドラえもんのえかきうたがかけない人は、ほとんどいないといっても過言ではないと思う。それくらい、常識の一つとなっている「ドラえもんのえかきうた」。


では、いまの子たちはどうなのか。ドラえもんを知らない子はほとんどいないだろうけど、えかきうたとなると、ちゃんとかける子はわずかなのではないだろうか。
というわけで、小1の娘に、クラスのお友達へのアンケートを依頼。実際にかいてもらってきた。

まず困難をきわめたのが、「え〜わかんない」「かけない〜!」という、「まったく知らない」らしき子が多いこと!
果敢に挑んでくれたものの、冒頭の「まるかいてちょん」の「ちょん」で早々につまずき、「ね〜、ちょんって、どこに点うつの?」と、結局、まるをかいただけで終わった子もいた。

続いて、子どもたちが「??」となったのは、「おまめにねがでて」のくだり。私も実は「おまめに芽が出て」だとずっと勘違いしてたのだが、やはり同じく子どもたちも、まるに植物の芽を生えさせたがために、するすると健やかに上に向かって伸びてしまい、鼻の下ならぬ「妙な鼻筋」になっている子が、数名いた。
さらに、「うえきばち」も、律義に「植木鉢」をかいたせいで、長い顔になってしまっているドラえもんが……かわいくない!
それでいて、「6月6日にユーフォーが」という部分のユーフォーだけ、いやに念入りにリアルにかきこんだ男子もいた。
その先はさらに、気の遠くなるような作業で、「お池がふたつってどこ?」「お船ってこんな感じ?(見事なヨット)」といちいち確認する子、体まで到達せずに途中で投げ出す子などなど。

ちょっとおませな子は、身近にあったドラえもんのグッズを見ながら、シルエットを丁寧にうつしてくれたそうだ。って、えかきうたじゃないし……。

これは私たちの世代にも共通して言えることだが、いちばん難しいポイントは、顔の内側のライン(うえきばち)が、目の横から出るかどうかの部分。
ここは、一人を除いて全員、目よりだいぶ上を二重の「うえきばち」が囲むかたちになってしまっていた。

思った以上に、ちゃんとかける子のいない「ドラえもんえかきうた」。生きてく上で、知らなくても全然困らないけど、それでもこんなにも浸透してないなんて、ちょっと寂しい……。

こんなことじゃ、ドラミちゃんの「ビックリしちゃったな」なんてビックリなえかきうたを知ってる子は、ほぼ皆無なんでしょうね。
(田幸和歌子)
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