
「花は、心のおくすりです!」(劇中の宗一のセリフより)
いま最も刺激的なドラマとして、一部ファンから熱烈な視線を注がれているフジテレビの昼ドラ『安宅家の人々』。
ホテル王の使用人の娘・久仁子(遠藤久美子)が、知的障害のあるホテルの跡取り息子・宗一(内田滋)と結婚させられ、徐々に宗一の汚れない心にひかれていくというストーリーだが、東海テレビとしては珍しく「脱ドロドロ」、「無償の愛」をテーマにしたドラマなのだという。
ところが、フタをあけてみると、ドロドロもドロドロ!
登場人物のほぼ全員(!)が、大真面目な顔で連呼する言葉が「セックス」! 夫婦間のみならず、姉妹で、親子で、毎回誰かと誰かが眉間にしわ寄せ、深刻きわまりない顔で「セックス」と連呼するのだ。
また、事件が起こるのは、たいてい「山小屋」。義兄弟が本気で殴りあったり、夫の不貞を知った妻が命を絶とうしたり、「プチ家出」して藁の上で寝たり、自分たちを捨てた母が戻り、長年貯めた貯金通帳を置いていくのも、みんなこの場所だ。まるで呪いの小屋……?
前日まで天使のような笑みを浮かべていた人が、豹変。ブラックになったり、刃物振り回したり、ああもう大忙し。
あまりに濃密な内容で、1回見逃すとついていけないほどの激しすぎる展開、独特な台詞回しの数々には、ネットの掲示板で「笑い死にさせる気か!」という声が挙がっているほど。
なかでも、毎回度肝を抜いてくれるのが、とてつもなくかたいセリフを、よすぎる滑舌で繰り出す、宗一の義弟・譲二さん。
「いっぽう、にいさんは」などと、セリフであらすじを説明してくれる親切さ(?)の半面、家出してた主人公たちの帰宅にいち早く気付くと、意地悪げに顔をのぞかせて「おやあ?」の一言。
ちょっと褒められると、「こっちは暇つぶしでつきあってるだけだ。へんに重宝されても逆に困りますよ」という憎まれ口。
義兄に対しても容赦なく、「兄さんはバカだ! 果てしのないバカだ!」、怒っているのかと聞かれると「ああ、怒ってるよ! 猛烈に怒ってるよ!」と大人げなく、義兄の妻である主人公が「よき夫」と評価するのに対し、「よき夫? ただ、ヘラヘラ笑みうかべて押し花作ってるだけでよき夫か ラクなもんだ!」と子どものような毒を吐いている。
さらに、自分の不倫に怒った妻が出て行ってしまっても、後も追わず、自分はちゃっかりパジャマに着替えてふかふかベッドで寝ているという能天気さ。
実は共演者もその熱演ぶりに笑いをこらえるのに必死のようで、微笑ましいやりとりが共演者の一人(久仁子の妹・仁美役)のブログで綴られていた。
おまけに、公式HPには、「譲二“a”in my mind 〜我が心の譲二〜」と題したステキなコーナーもあり、
「譲二、ショック!(なんか村上ショージさんみたいになってきたけど)ドゥーン!」
「撮影現場は、セットやスケジュールの都合が交錯する場所だから、日によっては、譲二のシーンがワンシーンしかない。なんてこともある。これを、専門用語で、ワンシーン・ジョージという。(ワンナイト・ジゴロみたいでしょ?)」なんてお茶目な面も。
惜しまれるのは、こんなにも刺激的なドラマを最初から観ていなかったこと! 毎日笑い死にの危機に瀕しつつ、後乗りの悔しさに歯ぎしりしたり、胃がキリキリ痛んだりしている。
ドラマは残念ながら3月末まで。「安宅家の人々」に、譲二さんに、今からでも注目してみてください。
(田幸和歌子)
・安宅家の人々HP
ホテル王の使用人の娘・久仁子(遠藤久美子)が、知的障害のあるホテルの跡取り息子・宗一(内田滋)と結婚させられ、徐々に宗一の汚れない心にひかれていくというストーリーだが、東海テレビとしては珍しく「脱ドロドロ」、「無償の愛」をテーマにしたドラマなのだという。
ところが、フタをあけてみると、ドロドロもドロドロ!
登場人物のほぼ全員(!)が、大真面目な顔で連呼する言葉が「セックス」! 夫婦間のみならず、姉妹で、親子で、毎回誰かと誰かが眉間にしわ寄せ、深刻きわまりない顔で「セックス」と連呼するのだ。
また、事件が起こるのは、たいてい「山小屋」。義兄弟が本気で殴りあったり、夫の不貞を知った妻が命を絶とうしたり、「プチ家出」して藁の上で寝たり、自分たちを捨てた母が戻り、長年貯めた貯金通帳を置いていくのも、みんなこの場所だ。まるで呪いの小屋……?
前日まで天使のような笑みを浮かべていた人が、豹変。ブラックになったり、刃物振り回したり、ああもう大忙し。
あまりに濃密な内容で、1回見逃すとついていけないほどの激しすぎる展開、独特な台詞回しの数々には、ネットの掲示板で「笑い死にさせる気か!」という声が挙がっているほど。
なかでも、毎回度肝を抜いてくれるのが、とてつもなくかたいセリフを、よすぎる滑舌で繰り出す、宗一の義弟・譲二さん。
「いっぽう、にいさんは」などと、セリフであらすじを説明してくれる親切さ(?)の半面、家出してた主人公たちの帰宅にいち早く気付くと、意地悪げに顔をのぞかせて「おやあ?」の一言。
ちょっと褒められると、「こっちは暇つぶしでつきあってるだけだ。へんに重宝されても逆に困りますよ」という憎まれ口。
義兄に対しても容赦なく、「兄さんはバカだ! 果てしのないバカだ!」、怒っているのかと聞かれると「ああ、怒ってるよ! 猛烈に怒ってるよ!」と大人げなく、義兄の妻である主人公が「よき夫」と評価するのに対し、「よき夫? ただ、ヘラヘラ笑みうかべて押し花作ってるだけでよき夫か ラクなもんだ!」と子どものような毒を吐いている。
さらに、自分の不倫に怒った妻が出て行ってしまっても、後も追わず、自分はちゃっかりパジャマに着替えてふかふかベッドで寝ているという能天気さ。
実は共演者もその熱演ぶりに笑いをこらえるのに必死のようで、微笑ましいやりとりが共演者の一人(久仁子の妹・仁美役)のブログで綴られていた。
おまけに、公式HPには、「譲二“a”in my mind 〜我が心の譲二〜」と題したステキなコーナーもあり、
「譲二、ショック!(なんか村上ショージさんみたいになってきたけど)ドゥーン!」
「撮影現場は、セットやスケジュールの都合が交錯する場所だから、日によっては、譲二のシーンがワンシーンしかない。なんてこともある。これを、専門用語で、ワンシーン・ジョージという。(ワンナイト・ジゴロみたいでしょ?)」なんてお茶目な面も。
惜しまれるのは、こんなにも刺激的なドラマを最初から観ていなかったこと! 毎日笑い死にの危機に瀕しつつ、後乗りの悔しさに歯ぎしりしたり、胃がキリキリ痛んだりしている。
ドラマは残念ながら3月末まで。「安宅家の人々」に、譲二さんに、今からでも注目してみてください。
(田幸和歌子)
・安宅家の人々HP
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