昔からマンガやドラマの中盤以降の設定には、「記憶喪失」がつきものだ。
もちろん「酔ってたときのことは覚えてない」とか、大変なショックを受けて一時的な記憶がとぶとかはあるだろう。
ある医師に聞いてみると、
「精神的ショックや、脳のどこか一部が欠落する病気、脳炎などの後遺症で一時的な記憶をなくす記憶障害はありえます。ただし、崖から落ちたなどのショックで意識を消失し、そのあたりの記憶をなくすことはあっても、名前まで覚えていないような状況はあまりないですね」
という。
最近の出来事や新しい情報が突然なくなる「一過性健忘」という病気はあるが、症状は1日程度などが普通で、やはり「ここはどこ? 私は誰?」にはならないそうだ。
この一過性健忘は10万人に5〜10人にみられるもので、その原因はわかっていないが、今のところ脳の血液の流れが悪いとか、頭部外傷による症状と考えられているという。
このほかに、自分の住所や名前はわからないのに、新しい情報は覚えられる「選択性記憶欠損」というものもある。これは「乖離性障害」といって、お金の問題や厄介なことなど、忘れたい過去の一部だけがわからなくなるのだとか。
「ドラマなどでみる『記憶喪失』は、健忘症より、むしろこちらにイメージが近いかもしれないですね」
そもそも「記憶喪失」は状態であり、病名ではないそうだ。
では、ドラマやマンガの「記憶喪失」の定番パターン「もう一度、同じように頭を打ったら戻った」は起こりうるのか。
「これはありえないでしょうね。どこかにスイッチが入るわけでもないし、たまたま戻ったように見えても、本人が意識していないなかで、『戻ったフリ』をしているのかも」
私たちがイメージする「ここはどこ? 私は誰?」は、事実とはやはりかけ離れたもののようです。
(田幸和歌子)
もちろん「酔ってたときのことは覚えてない」とか、大変なショックを受けて一時的な記憶がとぶとかはあるだろう。
でも、劇中にあるような「ここはどこ? 私は誰?」みたいな「記憶喪失」っぷりなんて、実際起こりうるものなのか。そういえば、タレントでそういう人がいたが……。
ある医師に聞いてみると、
「精神的ショックや、脳のどこか一部が欠落する病気、脳炎などの後遺症で一時的な記憶をなくす記憶障害はありえます。ただし、崖から落ちたなどのショックで意識を消失し、そのあたりの記憶をなくすことはあっても、名前まで覚えていないような状況はあまりないですね」
という。
最近の出来事や新しい情報が突然なくなる「一過性健忘」という病気はあるが、症状は1日程度などが普通で、やはり「ここはどこ? 私は誰?」にはならないそうだ。
この一過性健忘は10万人に5〜10人にみられるもので、その原因はわかっていないが、今のところ脳の血液の流れが悪いとか、頭部外傷による症状と考えられているという。
このほかに、自分の住所や名前はわからないのに、新しい情報は覚えられる「選択性記憶欠損」というものもある。これは「乖離性障害」といって、お金の問題や厄介なことなど、忘れたい過去の一部だけがわからなくなるのだとか。
「ドラマなどでみる『記憶喪失』は、健忘症より、むしろこちらにイメージが近いかもしれないですね」
そもそも「記憶喪失」は状態であり、病名ではないそうだ。
では、ドラマやマンガの「記憶喪失」の定番パターン「もう一度、同じように頭を打ったら戻った」は起こりうるのか。
「これはありえないでしょうね。どこかにスイッチが入るわけでもないし、たまたま戻ったように見えても、本人が意識していないなかで、『戻ったフリ』をしているのかも」
私たちがイメージする「ここはどこ? 私は誰?」は、事実とはやはりかけ離れたもののようです。
(田幸和歌子)
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