40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。
第44回は、2026年のゴールデンウィークにおける旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の最新予約データをもとに、いま人々がどこへ向かい、どんな価値観で旅を選んでいるのかを読み解きます。(以下大木さん寄稿)
ハワイにきて気づく日本のゴールデンウィーク
まもなく、日本はゴールデンウィークを迎えます。3月から4月にかけて、少しずつ暖かくなり、時には汗ばむような陽気も混じるこの季節。からっと晴れ渡る連休には、どこか前向きなエネルギーを感じる——ゴールデンウィークシーズンは、そんな特別な時間でもありますよね。
ただ、ハワイにいると、こうした「季節の高まり」のような感覚は、正直あまりありません。
というのも、ハワイはちょうど冬、いわゆる雨季を抜けたばかり。特に今年は記録的な雨や嵐のシーズンとなり、4月の下旬から、ようやく、からっと晴れて、ハワイの夏本番を迎えています。
そんな形で季節の移ろいはあるものの、日本のようにだんだんと暖かくなる頃に連休を迎え、それとともに気分が切り替わる感覚とは、少し違うのです。
日本人は働きものだといわれますが、日本のゴールデンウィークのように社会全体が一斉に休む大型連休があるのは、世界的に見ても実は珍しいスタイルです。
日本は年間の祝日は16日ありますが、私の働いているアメリカはおよそ11日ほど。
アメリカは、個人の裁量で有給休暇を取得するスタイルが一般的。ライフスタイルに合わせて休みを調整できる自由さがある一方で、「みんなで一斉に休む」高揚感はあまりありません。
隣の芝生は青く見えるもので、太平洋を隔てて日本のカレンダーを眺めながら、「ゴールデンウィーク、いいな」と羨ましく感じている自分もいます。
さて、そんな2026年のゴールデンウィークですが、旅行アプリ『NEWT(ニュート)』の新たな予約データが見えてきました。今回はそのデータをもとに、今年のゴールデンウィークにおける海外旅行の動向について読み解いていきたいと思います。
今年ゴールデンウィーク、海外旅行先1位は?
ハワイにいる立場からすると、少し悔しさもありますが、この結果には納得感もあります。
韓国が選ばれる理由は、距離の近さやLCCの多さといったコスト面だけではありません。限られた時間の中でどれだけ満足度の高い体験ができるか、いわゆる“タイパ(タイムパフォーマンス)”の高さが大きいのではないでしょうか。
実際、私自身も仕事や子育てに追われる日々の中で、まとまった休みを確保するのは簡単ではありません。だからこそ、週末に1日プラスしたり、ゴールデンウィークをうまく組み合わせたりして、短期間でもしっかり楽しめる韓国を選ぶ人が増えている——そんな傾向も感じています。
賢い選択先は?“中距離海外”に人が集まるワケ
さらに、インドネシア・バリ島をはじめとする東南アジアも全体的に伸長しています。手の届きやすい“中距離”の渡航先として、存在感を増している様子がうかがえます。
その背景には、中東情勢の不安やヨーロッパの物価高といった影響もありそうです。遠距離に対して心理的・金銭的なハードルを感じる層が、比較的治安が安定していて渡航しやすく、かつ日本から見ると物価にお得感のある東南アジアへとシフトしていると考えられます。
トータルコストで見ても、この傾向は納得できます。航空券や燃油サーチャージが高騰している中でも、ベトナムやインドネシアであれば現地の物価が比較的安いため、結果として旅行全体のコストを抑えやすいのです。現地でかかる交通費もGrabなど配車アプリを上手に使うとかなりおさえることが可能です。
実際、物価の安い地域では、五つ星ホテルの予約が全体の約半数を占める傾向も見られます。日本では手の届きにくい高級リゾートに泊まり、質の高いサービスを体験する——そんな“メリハリ消費”の価値観が広がっているのかもしれません。
また、“中距離”という観点ではオーストラリアの予約増加も注目されます。LCCのジェットスターでは、2016年から燃油サーチャージを廃止しています。
海外旅行は二極化へ、問われる「旅の目的」
5月以降、燃油サーチャージの再値上げが決まっています。旅行先選びにおいて、距離と総コストの影響は、今後さらに大きくなっていくと考えられます。こうした流れを受けて、海外旅行は今後、二極化していくのではと予想しています。韓国や台湾、東南アジアといった、気軽に行ける近距離・中距離の旅行。そして、長期休暇を活用し、計画的に訪れる長距離の旅行です。
コスト高という現実を前に、「どこに行くか」以上に、「なぜ行くのか」が問われる時代になってきているのかもしれません。
ハワイをはじめとするアメリカやヨーロッパなどの長距離路線は、予算も準備も、それなりの覚悟が必要です。だからこそ、「流行っているから」「なんとなく行きたいから」ではなく、その旅で何を得たいのかという目的を、これまで以上に重要視する流れになっていきそうです。
たとえば子どもがいる家庭であれば、どんな価値観に触れさせたいのか。どんな体験をさせたいのか。そうした視点を持って旅を選ぶ人が、今後さらに増えていくのではないでしょうか。
満足度を最大化する、これからの旅行の選び方
韓国で圧倒的なタイムパフォーマンスを追求するのも、東南アジアで物価差を活かし、トータルコストを抑えながら贅沢な滞在を楽しむのも——いずれも、限られた予算と時間の中で満足度を最大化しようとする選択といえるでしょう。燃油サーチャージの上昇が続くなか、夏の旅行は早めの計画がカギになります。特に長距離路線は、早期に予約・発券することでコストを抑えやすくなります。
そのうえで、「このコストを払ってでも行く価値がある場所はどこか」。そんな問いを自分に投げかけながら、旅の目的を明確にすることが、旅の満足感にも繋がっていきます。
みなさんは2026年の夏、どこに行きますか?ハワイではいつでもお待ちしております。
<文/大木優紀>
【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
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