信じるものは報われる!? 「フォーチュンクッキー」
今日のフォーチュンは?
占い大好きでなくても、神社に行くと必ず引いてみたくなるのがおみくじ。神社のないアメリカでその代わりになるのって、「フォーチュンクッキー」ですかね。


フォーチュンクッキーは、チャイニーズレストランで出される、四つ折りにされたお煎餅。中に占いが書かれた小さな紙が入っている。20世紀初頭サンフランシスコで開催された国際見本市で、日本庭園茶屋で日本茶と一緒に出されたのが始まりとも言われている。アメリカでは超ポピュラーだが、本場中国ではあまり知られていないらしい。

お煎餅も美味しいんだが、フォーチュンには色々ためになることが書かれていて、それがなかなかの傑作。例えば、
“The wise man does not court danger.”
「君子危うきに近寄らず」
“Early birds pick out the worms.”
「早起きは三文の得」
この辺は我々も学校で習ったことがあるような、孔子の言葉やことわざ。


ところがそれだけではネタが尽きたとみえて、“創作格言”が登場する。
“Confucius say you have heart as big as Texas.”
「子曰く、テキサスと同じくらい大きな心を持つべし」
“Beware of odors from unfamiliar sources.”
「よく知らないソースのニオイには気をつけろ」
“Never forget a friend. Especially if he owes you.”
「友達のことは忘るべからず。もし貸しがあるなら」
“A company is coming. Lock the door.”
「客来たる。ドアに鍵をかけろ」
“Find someone as gay as youare.”
「あなたと同じくらい幸せな(ゲイな)人をみつけるべし」

きっと中国4000年の歴史が生み出す深遠な意味があるのだろうが、英語に訳したせいか、残念ながら全く真意が分からなくなっている。アメリカ人なんかは、読んだ瞬間、間違いなく腹を抱えて笑う。変なフォーチュンを集めたサイトも立ち上げられちゃってる。


これらフォーチュンを書いていたライターの一人、Wonton FoodのLauさんは、その苦労を雑誌『New Yorker』のインタビューで語っている。
「11年間、街を歩いていても、地下鉄に乗っていても、いつもフォーチュンを考えていましたが、燃え尽きました」
それで終いには、“Eat me.”、「食べて」の一言。嗚呼、涙無くしては読めない。

でも彼の苦労は報われているかもしれない。
3年程前、アメリカのパワーボールという宝くじで、フォーチュンに書かれたラッキーナンバーが当たりを出した。フォーチュンを信じていた110人もの人が、その幸運を手にしたのだった。
羨ましい。

あ、私も一つ浮かんだ。
イワシの頭も信心から。宝くじの当たりもフォーチュンクッキーから。
(チン・ペーペー)