先日、「選手は失点しても凹まない」「監督は得点しても失点しても、わりと無表情」など、バレーボールを観て感じた様々な疑問について、『月刊バレーボール』編集部に伺った。
今回、引き続きその他の疑問もどんどん聞いてみたい。


1・そういえば、バレーボールでは、背番号がポジションで決まっていないの?
今回改めて観てみると、いちばん強いスパイクを打つアタッカーが2番だったり、12番だったり、バラバラに見えた。その一方で、キャプテンが4番をつけていたりすることが多い気がしたけど、ポジションごとに背番号は決まっていないのか。
「以前は、スタートポジションの後衛ライトから始まるサーブ順に、1→2→3→4→5→6と背番号を振るのが一般的でした。そのため、前衛のレフトに入る選手は4、エースが入るポジションでもあるため、4はエースナンバーでした。中学、高校あたりにはこの名残がまだあります。4はチームの大黒柱という感じです。
また、1も伝統的にキャプテンが付ける番号のイメージが強いです」

2・サーブには、制限時間はないの?
「主審がホイッスルを鳴らして8秒以内に打たなければいけません。この時間を利用しての駆け引きもあります」
たとえば、木村沙織選手は、ホイッスルが鳴ってすぐに打ったり、あるいは、ギリギリまでじらして打ったりと、駆け引きを行うことが多い選手で、そうした部分に注目して見ると面白いそうだ。

3・ピンチサーバーは、何回出ても良いの?
ピンチサーバーに代わってもらえる回数は決まっているのだろうか。あるいは、ピンチサーバーとして出られる回数は決まっているのか。
「バレーボールのルールで、選手交代は各セット6回と決まっています。スタメンで出場した選手(A)と、ピンチサーバーで入った選手(B)での交代がなされた場合、(B)は(A)としか交代できません。
交代は各1回ずつのみです。ちなみに、交代選手が入っても1回、元の選手に戻しても1回となります」

4・「テクニカルタイムアウト」って、何のためにあるの?
どちらかが先に8点、16点をとったときの「テクニカルタイムアウト」は、他のタイムとどう違うのだろうか。
「テクニカルタイムアウトは国内最高峰のVリーグと高校生の全国大会、そして国際大会で適用されています。ただ、もともと監督が要求し取得できるタイムアウトも、試合の流れをつかむ上では非常に重要なポイントでした。現在、国際大会ではテクニカルタイムアウトを先に取ったほうが、セットを取得する確率が高いというデータがあり、まずは“8点”、“16点”を先に取ろうというのが一つの目安になっています」

5・バレーボールの応援っておとなしくない?
サーブのときの「そーれっ」などの掛け声はあるが、野球などに比べると、応援はずいぶんおとなしい気がする。また、審判の判定に対して、ブーイングなどが全く起こらないのも、ちょっと不思議。
鳴り物不可とか、ブーイング禁止とか、応援側にもルールがいろいろあるのだろうか。
「ファン個々人の自発的な声援による応援に対する規制はありませんが、鳴り物などは体育館競技という特性上、積極的に活用されていません。ただし、バレーボールの会場が大人しいのは日本独特です。海外の試合では、ブーイングはすごいですし、それと同様にファインプレーに対する拍手や賞賛の声もすごいです。勝者に対してもスタンディングオベーションで称えますから。ある意味、バレーファンが大人しいのは日本独特の文化かもしれません」

これは、他のスポーツに比べて女性のファンが多いということも影響しているのではないかという分析だった。


観てみると、意外と知らないことがたくさんあることに気づき、その理由を知ると、もっともっと楽しくなるもの。今度は生で観戦したいです!
(田幸和歌子)