吉川晃司は、毎日7~8kmのウォーキングを欠かさないという。御年48歳とは思えぬ肉体・若々しさを保つ秘訣は数多いはずだが、その一つに「歩く」が挙げられるのは疑う余地もないわけで。


ところで皆さん、歩いてます? 私は歩かないなぁ……。自転車を使うのは、まだ良い方。しんどくなったら、タクシーを呼び止めたりして。
いや、正味の話、「歩いてるほどの暇がない」という問題もあるかしら。言い訳でしょうか?

そんな時、ちょっと面白い乗り物の情報をキャッチしました。「片山工業株式会社」(岡山県)が開発した『ウォーキングバイシクル』は、自転車です。
でも、歩くんです。
では、その乗り方について。……と、その前に画像をご覧ください。サドル、ないですよね? そうです、立って乗ってください。そしてペダルに足を乗せ、歩くように踏み込んでください。すると、自転車みたいに進む、進む! スピード豊かに駆け抜けます。
しかも、電動アシスト付きだそう。上り坂でもスイスイです。

さて、この自転車の開発の経緯について同社の担当者にお聞きしたました。どうやら、深い思いがあるようです。
「当社・社外役員のお父様が5年ほど前に入院し、長い距離が歩けなくなりました。でも、『いつまでも自分の足で歩きたい』という気持ちを強く持っていらっしゃる方なんですね」(同社・担当者)
テクノロジーが発達し、いつかは「ボタンひとつで目的地へ連れて行ってくれる」という車が開発されるかもしれない。
それは素晴らしい事だが、一方で「歩く」という動作がないがしろにされないだろうか?
「だからこそ、『歩く』をサポートしていく物が大事だと考えたんです」(担当者)

もちろんその意志は、『ウォーキングバイシクル』のフォルムにも反映されている。
「誰でも乗れるような乗り物にしようと、当初は四輪車で企画しました。でも、それだと自動車になってしまうんですね。なので、三輪という形に落ち着きました」(担当者)
誰でも乗れるということは、練習もいらない?
「講習等の必要はないですし、免許も不要です。ただ、やはり『座ってこぐ』という感覚に慣れている方が多いですよね。でも、辺りを一周していただければコツをつかんでいただけるのかなと(笑)」(担当者)
通常はペダルを“回す”感覚だが、この自転車だとペダルを“上下する”感覚。
要するに、歩くんです。

では、気になるスピードについて。
「この自転車に乗ったら、速くこぐ人が多いですね(笑)。普段から自転車に乗っている男性なら楽に20km/hを出しますし、女性でも10~12km/hを出す方が多いですよ」(担当者)
もちろん自転車なので、速さ調節は自由自在。変速機もあるし、電動アシストのON/OFFで速度調節をすることも可能。もちろん、ヘルメットは不要だ。


そんな『ウォーキングバイシクル』を入手したとしましょう。どんな活用法がいいと思います?
「これに乗れば、2kmくらいの距離はあっという間なんですね。例えば『ちょっと歩くには遠いな』くらいの外出が最適だと思います。車で行くような場所も、お散歩感覚で行けますし」(担当者)
あと、ウォーキング活用としてもグッド。出勤前に30分だけウォーキングの時間を設けている場合、これに乗れば移動範囲がグッと広がる。だって、制限時間内に行ける範囲が拡大されるのだから。

「『今日はちょっと遠出して、カフェでモーニングでも食べよう』なんてこともできるかもしれません」(担当者)

先行予約は7月下旬より受け付けで、夏には表参道にショールーム(試乗等が可能)がオープン予定。価格は、29万円(税別)です。
「試乗した方からは『面白い』『意外と軽い』といったお声をいただきます」(担当者)
しかも、自転車より小回りが効くそうだ。乗ってみたい……!

発売が待ち遠しいが、なんと海外からの反響も続々と寄せられているらしい。例えば、イタリア、フランス、ドイツなど。
「それら以外に、『ここからも!?』という国からお問い合わせをいただくことがあります。先日は、南アフリカやメキシコからもご連絡をいただきました」(担当者)

上記諸外国での販売に関しては検討中だが、とりあえず日本での販売開始は10月だそうです。ぜったい乗りたい!
(寺西ジャジューカ)