先日、駄菓子コーナーを熱心に物色していた娘(小2)が、ポツリと呟いた。
「フエラムネって、なんで男の子用ばっかりなんだろうねー。
女の子用は見たことないよ」

昔からおなじみのフエラムネ。
まあるいラムネを吹くと、ピーッと音がするアレだ。

自分などは「男の子用」「女の子用」があること自体、意識したことがなかったのだが、店内の箱を探ってみると、確かにあるのは「男の子用」と書かれたものばかり。
わずかに1個だけ「女の子用」を見つけると、
「女の子用もちゃんとあったんだ!!」と娘が狂喜乱舞していた。これまでどのスーパーでも男の子用しか見たことがなかったのだと言う。
もしかして、フエラムネの女の子用ってレアなのか。
そもそもいつからあるものなの? 製造元のコリス株式会社に聞いた。

「もともとは昭和27年にフエのガムから出発し、フエラムネが誕生したのは昭和35年。昭和初期にブリキのオモチャのフエがあり、それをお菓子にできないかと前身の会社が研究して作ったものなんです」
と、担当者は言う。

どんぶりの底に丸い穴がついた形状のものを2つ貼り合わせることで、空気が中に入り、ぐるぐるまわって出るとき、音が鳴るしくみなのだとか。
当初は手作業で貼り付けていたというが、自動的に貼り付ける機械をつくり、特許をとったことで、大量生産が可能となったという。
「当初は4粒5円で売っていましたが、時代を経て量や値段が変化し、昭和50年からオマケつき10粒50円となりました。
さらに、8粒になり、平成5年からは現行の8粒60円となっています」

では、肝心のオマケの「男の子用」「女の子用」の比率は?
「実はオマケがついた当時は、1箱20個について、男10に女10。同等でした。ところが、調べてみたら、男の子のほうが買っていることがわかったので、比率を変えたんですよ」
で、現在の比率は、「男の子:女の子用=3:2」に落ち着いているのだとか。
3対2というと、圧倒的に男の子用が多いわけでもないのだが……。
「偏りのある売り場もありますし、高価なものと違って、男の子用と女の子用を明確に分けられないので、中性的なものも多いんです。どうしてもこの単価ですと、1円~3円程度のオマケしかつけられないので、車シリーズなどは男の子用、ヘアゴムなどは女の子用と分けられますが、その他はなかなか……」
実は、一時、フエだけで売ったこともあったそうだが、思うように売れず、オマケを復活させたという経緯もあるそうだ。


さらに、オマケの箱は、「男の子用」「女の子用」の文字は入っているものの、色も柄も「微妙に違う」程度。よく見ないと気づかないくらいだが、
「子どもはよく見てますよね(笑)。たいしたモノが入ってないとわかっていても、やっぱりオマケのフタをあける楽しみが大きいんですよね」

ちなみに、オマケで毎月新たに登場するのは50~60アイテム!! 現在出回っている種類は、
「数え切れないくらいあると思います」

ささやかながら、子ども心をくすぐり続けるフエラムネのオマケ。今後も、というか、これからはもっと真剣にひっそり見守りたいです。
(田幸和歌子)