おなかがすいて、とんかつ屋へ。

とんかつ食べた、うまかった、ゲプー、ということで食後、つまようじに手をのばす。

と、手に取ったつまようじの個包装の袋に、こんなことが書かれている。

『でんぷん100% スマイルようじ』

でんぷん……。
楊枝といえば木。ある意味、定説だ。しかし、目の前にあるようじは「でんぷん」でできているらしい。
諸説はあるが、木でできた割りばしや楊枝の存在が、エコ観点で論じられることは多い。そう考えると木製じゃないつまようじがあってもおかしくはない。袋にもちゃんと、「地球にやさしいつまようじ」と書かれているし。

この「でんぷん楊枝」、見た目は半透明、少し弾力があって、使い勝手もなかなかいい。
そして、「スマイルようじ」というネーミングもまた、なんだかイイ。
どうしてでんぷんで楊枝を作ろうと思ったのだろうか。製造・発売元の株式会社旭創業に、たずねてみた。


「でんぷん製の楊枝は、すでに韓国で導入されていたのですが、包装業界の中での『エコロジー』を考えたとき、まず取りかかりとして、これを導入することになりました」
発売開始は2000年で、主に業務用の流通のため、一般の小売店や量販店ではなかなかお目にかかれないそう。
「比較的歯にやさしいので、歯科医からの評判も良好のようです」

素材はトウモロコシやジャガイモの、穀物でんぷん。それゆえに、水に溶けやすく、自然分解する。

自然分解されるために、生ゴミ処理機にもそのまま投入できるうえ、こんなメリットもあるという。
「たとえば家畜のエサとしてゴミをリサイクルするとき、ゴミに混ざっていて取り除けなかった楊枝をブタなどがノドに詰まらせるということが無くなりますね」

ところでこの「スマイル楊枝」という、ハッピーなネーミングだが、社内公募でつけられたものなのだとか。
「これを使うことで、みんなが笑顔になれるというイメージが好ましく、採用されました」

楊枝でできるエコというもの、あるみたいです。
(太田サトル)

※「スマイル楊枝」は、本文中にもあるように、一般の小売流通量はごくわずか。個人で興味のある方は、直接お問い合わせください
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