その伝統とシンプルなデザインで人気のノートブックブランド『MOLESKINE(モレスキン)』が出している「City Notebook(シティノートブック)」は、世界の主要都市別のノート。地図や路線図のみが記載されていて、レストランや観光の情報などは全く載っていないため、自分で情報を書き込み、作り上げていくことが醍醐味。
プライベートやビジネスを問わず、カスタム派の旅にぴったりなこのシティノートブックに、11月から新たに“東京”と“京都”が加わった。

私はこの海外版を愛用していて“自分だけの1冊”を熱心に作りこんでいるひとりなのだが、最初この情報を得た時は正直なところ、「京都は買いたいけど、東京はパスかな?」と思った。私にとって東京は生活している場所で、旅をする場所ではない、というのがその大きな理由。

でも先日、クリエイティブ・マインドを持った40人以上のアーティストが、東京の中にある自分だけのオアシスをシティノートブック上で個性豊かに表現したという『MY OASIS IN TOKYO EXHIBITION』を見に行ってきたところ、俄然東京版に気持ちが傾いた。

展示されていたのは、アルバムのように写真を貼り付けたものや、東京ならではのトピックA~Zまでをイラストエッセイ風にしたもの、食べ物にスポットを当てデータベース化したものなどだが、どれもとても自由に表現されていて、見ているうちに「あたりまえの毎日の中で出会った物事を意識して書きとめることで、普段の暮らしをもっと楽しめそう」という気持ちになったのだ。

日本の輸入販売元である有限会社カファによると、「これまでは海外の都市のノートのみの展開だったので、旅に出る時に購入して、自分にとって必要な情報だけを集約して旅の準備をしたり、旅の思い出と足跡を残していけるノートという形で広がっていました。
でも今回は“自分たちの街のノート”なので、実用的な使用はもちろんのこと、偶然見つけた最高のランチスポット、近所にある居心地のいい本屋さん、思い出の場所など、いつもそこにいると忘れがちなことを書きとめることであらためて生活を楽しんだり、自分の住む街の素晴らしさを感じることができるノートとして使っていただけたらと考えています。クリエイターの方々のノートを見て、「こんなノートを作ってみたかった!」とか「こんなノートを作れたら楽しいかも!」と思っていただけたら嬉しいです」とのこと。

もちろん、東京・京都以外の都市に住んでいる人は、純粋に使い勝手の良い旅ノートとして楽しめるだろう。東京在住の筆者は、毎日を旅になぞらえて日記帳のように使ってみる予定。

今までクリエイターによる作品は数カ所で数作品ずつ展示されていたのだが、そのすべての作品を一堂に会したエキシビションが、2009年1月7日~14日まで伊東屋銀座本店1Fのイベントスペースで開催される。お目当てのアーティストの作品を見に行くもよし、東京を楽しむヒントをもらいに行くもよし。
“あたりまえの日々をクリエイトする”きっかけに出かけてみては?
(磯谷佳江/studio woofoo)