人から「悩みがなさそう」なんて言われることもあるんですが、実際は悩みの尽きない毎日。この問題が解決したと思ったら、次はあの問題……。
まるで悩みの無間地獄!
そんな時、人のアドバイスを仰ぐと気持ちがグッと楽になるもの。だが、誰からアドバイスをもらうかが重要だ。どうせなら「この人の意見を聞いてみたい」と思える人に、相談を持ちかけてみたい。

では、相談相手が住職ならどうだろう。的を射た意見で親身に相談に乗ってくれそう。
実は、そんなカウンセリングルームが新宿に存在する。
その名もズバリ、「駆け込み寺」。今年の4月20日から新宿で営業しているこちらのお店では、真言宗智山派「浄蓮院」の現役住職である羽鳥裕明さんが、親身になってカウンセリングを行ってくれるというのだ。

ここで日々の葛藤をぶつけてみたい! というわけで、「駆け込み寺」に実際にお伺いしてみました。
到着してまずはじめに感じたのは、室内の落ち着いた雰囲気。実際、数人でカウンセリングにやって来て、自分の番じゃない時は横になり、“クタ~ッ”とくつろいでしまう方もいるくらい気の置けない空間。

ちなみに羽鳥さん、同時進行で様々な分野で活躍されている現役住職なので、依頼があれば関東全域の法事に出向く。
そして、ここ新宿と前橋にはカウンセリングルームを開設。他にも企業の健康管理室で社員のカウンセリングを受けたり、厚生労働省が手がけるメンタルヘルス対策支援センターで、企業担当者(人事、保健師、産業医など)からのメンタルヘルス対策相談や働く人の心の悩み相談も受けている。

中でも現在、最も重きを置いている「駆け込み寺」。ここには20~40代の男女の訪問が多い。そういった方々の悩みを掘り下げていくと、問題の要因として“親子関係”があるケースが多いとのこと。親が過干渉だったり、今までに植えつけられてきた価値観が原因だったり……。
そういった悩みに対し、親身に相談に乗ってくれるのだ。

また、駆け込み寺では「密教占星術」という占いでの鑑定も行ってくれる。真言宗は空海が開いたもので、空海が唐に渡り持ち帰ってきた経典の中にあるのが宿曜法(「すくようほう」。曜日の元になったと言われている)。これを用いて行う占いが密教占星術。
占いの手順は、まず自分の生年月日を羽鳥さんに申告。
生年月日で27種類のタイプに分けられる。これで、気になる人との相性占いだったり、仕事で自分はどういう生き方・考え方をしたらいいのかアドバイスをしてくれる。もちろん、人間をたった27種類で分けられるという訳ではなく、自分の状況・性格をどう活かすかで、その人の人生も変わってくる。

早速、私も占ってもらった。自分の生年月日を伝える。なんと、私と同じ星にいる有名人が「小田和正」、「マライア・キャリー」、「菊川怜」だというから、嬉しいショック(笑)。

この星の人は、一本道を究める本物志向の職人タイプ。生き方としては「不器用で結構」というスタンス。人とは誠実に付き合いたいが、愛嬌を出しにくく、柔軟に人に合わせていくのが苦手。人間関係を学んでいく課程で、どうしても傷ついてしまう人。相手に失望する機会が多く、「馬鹿にされた」、「利用された」と思った瞬間、戦闘モードに入ってしまう。お世辞が通用しなく、一度逆鱗に触れるともう駄目。


今まさに、現在進行形で思い当たる節があり過ぎるので、途中から取材を忘れて羽鳥さんにガッツリ相談してしまいました(仕事のことなど)。内容は書けませんが……。
羽鳥さんも、よく占い師にある“上から目線で諭す”なんてスタンスではなく、一緒に考えてくれてるような進め方をしてくれるので、こちらも妙に心をさらけ出してしまいました。
真言宗は否定をしない、肯定をするのが基本なので、お客さんはみんなポジティブになって、自身の生き方を心に秘めて帰っていくという。

以前から羽鳥さんは、一般的にお寺で行われる厄除けや、お守りの販売など以外にも、みんなの心の問題にも取り組みたいと考えていた。だが、そういう想いも寺の中だけではなかなか実践できない。そこで、カウンセリングルームを開設して窓口を拡げたいと考えるように。
たとえば、リストカットをした子などは「自分に問題がある」と認めたがらないので、カウンセリングルームには来たがらないもの。だが、占いならば気軽に来ることができるという。そこで、この「密教占星術」も行うようになった。

料金は、カウンセリングが1時間で5,000円。占いが30分で3,000円。電話でのカウンセリングで15分で1,000円。電話での占いは30分で3,000円。

「苦しい時の神頼み」なんて言葉があるが、ここではキチンと当てになるアドバイスを伝えてくれる。興味のある人は、気軽に訪れてみてほしい。羽鳥さんは、どうにも頼ってしまいたくなるような雰囲気の持ち主でしたよ。
(寺西ジャジューカ)