インフルエンザが流行っている。
重症化する例は心配されたほど多くない感じ。
でも、登校前や出勤前に、検温を義務づける学校、企業も多いよう。37℃を超えたら登校禁止なんてところもあるようだ。

ところで、人間の平熱ってどのくらいなんだろう。試しに周囲の10名に測ってもらったところ、35℃台が2人、36℃台が6人だったが、37℃台も2人いた。その後しばらくたつけれど、37℃台の2人が病気になった様子はなし。以前のコネタ「何℃になったら微熱というのか?」に「37℃以上は微熱」という話があったが、「微熱が平熱」って人も結構いるんじゃないのか。


テルモ株式会社の調査によると、「あなたの平熱は何℃だと思うか?」の問いに、多くの人が36.5℃または36.0℃と答え、平均値は36.14℃だったという。しかし、1957年の田坂定考先生らの研究論文によれば、日本人の平熱の平均値は36.89℃。本当の平熱は、思っているよりかなり高いのだ。36.6℃~37.2℃の人が約7割で、中にはそれ以上の人も。37℃が平熱という人、実は少なくないのだ。

いったいどうして、自分の平熱を低めに思っている人が多いのか。
テルモに聞いたところ、2つの理由があるという。
「(体温計の)予測式と実測式の違いがわからず、検温時間が足りていない可能性があります」
水銀体温計、電子体温計を問わず、正確に測るには10分間の検温時間が必要だという。ただ、「予測式」の場合は、温度の上がり方から10分後の温度を予測することができる。だから、「ピピッ」という音がしたらそれでOK。一方、「実測式」の場合は、「ピピッ」と音がしたところで検温をやめると、0.4℃ほど低めの表示になることがあるそうだ。

もうひとつ、「体温計を正しくはさんでいない」可能性もあるという。
筆者は体温計をワキの下に、斜め上からはさんでいるが、これはまちがい。斜め下から押し上げるようにはさまないといけないという。
「ワキが密閉されるようにしっかり閉じ、手のひらを上向きにし、ひじをわき腹に密着させます。さらに、反対側の手でひじを軽く押さえるのが正しいはさみ方です」
正しく測らないと、0.3℃くらい低めの表示になってしまう可能性があるそうだ。

正しい測り方がわかったところで、手元の「実測式」で検温してみた。3分後に「ピピッ」っと音がしたところでのぞいてみると、表示は36.0℃。
そのまま我慢して10分後に取り出すと、36.3℃まで上がっていた。

体温を測り始めてン十年、今まで正しい測り方を知らなかったというのは、ちょっとショックだが……朝は時間がないので、予測式体温計を買おうかなと思っています。
(R&S)