谷根千といえば、谷中、根津、千駄木かいわいの下町地区のこと。日暮里の駅を降りて、谷中に向かうとその街中に点在する「おぢさん」の案内カンバン。
前々から気になっていたのだが、「おじさん」じゃなくて、なんでどうして「おぢさん」なの?
商店街を抜け、小高い坂の上にあるお店についてみると確かに店名にも「おぢさん」!! いまさらながら意を決して、その由来を店主さんに聞いてみた。

どうして「ぢ」なんですか? と疑問を投げかけたところ、「良く聞かれるんですよ~」と、すでに諦めムード。問題の答えは? とさらに追及したら、「それは英語で質屋のことを『UNCLE SHOP』というからなんですよ」とあっさり回答をいただけました。確かに分厚い英語の辞書には俗語で質屋という意味が載っています。

なぜ「おぢさん」かというと、なんでもこの店が開店した戦後の頃は、「ぢ」と「じ」の遣い方があいまいだったそう。そんなことってあるのか? と調べてみたら、たしかに「ぢ」と「じ」の遣い方は、昭和61年まで国の「現代仮名遣い」規範でもきちんと分けられていなかったのだとか。


さておき質屋は今ではブランド品を売るところとして有名ですが、もともとは質入するその品物の価値の範囲内でお金を貸してくれる貸し金業。指輪・ネックレスなどの宝飾品、家庭電化製品、カメラ、腕時計などが質入の主流でした、人気のあるのはやっぱりブランド品。

東京質屋協同組合のウェブサイトによると、ブランドバックの1~3位は、ルイ・ヴイトン、エルメス、シャネル。腕時計は、ロレックス、オメガ、ブルガリ。デジカメでは、ニコン、オリンパス、フジフィルムの順で人気だそうです。

各地で年末行われる質屋バーゲンなども狙い目ですが、最近ではネットオークションに出展しているお店も少なくないそう。
もともと質に入れる=借金することが公に出来ない時代には、質屋はお客さんがお店に行くときに、誰にも会わないように立地にも気を使って建てられたそう。

そういえば、路地の奥とか、こんなところに! というところに多く見られた気がします。時代によって質屋の売り場も変わりましたねぇ~。
(カシハラ@姐御)