まさに「猫の額(ひたい)」ほどの小さなお店で、ショーケースをのぞき込むと細長い猫のしっぽのようなふわふわドーナツが……か、かわいい~。
オーナーさんにお話を伺ってみたところ、今年1月末にオープンしたばかり。「谷中ぎんざはお惣菜のお店が多いので、私どもはお菓子を、ということではじめました」とのこと。確かに駅前にある「谷中せんべい」や、「ニクのサトー」のメンチカツなどは有名だけれど、洋風のスイーツはあまりなかったのかもしれませんね!?
散歩途中に買って歩きながら食べる人が多いそうで、新たな谷中みやげとして定着しつつあるもよう。ちなみに、いちばん人気はフレッシュなバナナを入れて焼き上げた「ナナ」だそうで、しましましっぽが目印。定番のほか季節限定ドーナツもあり、今の時期は「わびすけ」という、よもぎあん+黒ごまの春らしいテイストが仲間入り。現在、夏に向けて新商品を開発中だそうで、こちらも楽しみ~。
迷った挙げ句、私はココア味にホワイトチョコチップ入りの「トラ」をチョイス。揚げない焼きドーナツで、無添加&甘さ控えめの優しい味わい。他、「にゃんころ餅」(わらび餅)、「子にゃんこのしっぽ」(かりんとう)、「にゃんぐどしゃクッキー」(フランス語で“猫の舌”を意味するラングドシャクッキーをもじったもの)etc. ドーナツ以外のお菓子につけられたネーミングもいちいちかわいい。
そんなわけで、ドーナツ片手に『私は猫ストーカー』のヒロイン・ハルよろしく「立派なおひげですね~」などと声をかけながら、その辺にたむろする猫たちとコミュニケーションをとってみた。映画の中では、「警戒心の強い猫をなでなでするためには、猫より視線をさげるべき」という猫ストーカーの極意が紹介されていたが、さすがに人目が気になり地面にはいつくばったりはできなかった小心者な私です……。
最後に、ハルがアルバイトをしていた『古書 猫額洞』(ホントにこんな名前の古本屋さんがあるらしい)へも行ってみようと思っていたのだが、残念ながらリサーチ不足でこのお店があるのは谷根千界隈ではなく中野区であることが判明。次回の猫ストーキング!? の締めくくりにはぜひ訪れてみたいものです。
(まめこ)