映画『ソーシャル・ネットワーク』が公開され、最近日本でも一気に知名度が上がっているFacebook(フェイスブック)。雑誌やメディアでも特集が数多く組まれており(エキサイトレビューの記事もチェック!)、それを見て始めた方も多いのではないだろうか。
日本で一般的なSNSといえばmixi(ミクシィ)だが、海外の多くの国ではFacebookが一般的で、外国の友人とコミュニケーションを取るのにとても便利。
では、mixiとはどう違うのか? Facebookを始めようか悩んでいる方向けに今一度簡単に説明してみよう。

mixiの利用者は基本的に日本人・日本語話者のみなのに対して、Facebookは世界中に約6億人のユーザーを抱えている。世界各国の言語で提供されており、もちろん日本語版もあるので、完全に日本語で利用することができる。ただし当然だが、利用者の書き込みは様々な言語が入り交じっている。
色々な国の人々とコミュニケーションを取りたい人は、自身のプロフィールや書き込みを、英語ないし英語併記で書くのが一般的だ。


似ている機能は多く、友人(「友達」:「マイミクシィ」)と、書き込み(「近況」:「つぶやき」)やアップロードした写真・動画を共有したり、趣味や団体ごとのページ(「グループ」:「コミュニティ」)を作ったり、メッセージ機能やアプリ機能があったり……。
mixiが機能の改良・追加に積極的ということもあって、差が少ないようにも思えるが、やはり使い方や仕組みの違いはまだまだ大きい。

まず一番大きな違いは、mixiはニックネームでの利用が一般的なのに対し、Facebookは実名での利用が大前提な点だ。mixiは仲の良い友人、または趣味の会う人とネット上(mixi内)での付き合いなど、ニックネームが便利な場面も多い。Facebookは米国で大学生の交流サイトとして出発しており、実名で交流の輪を広げていくイメージで、記入できる個人情報の種類も多い(もちろん各情報・書き込みの公開範囲の設定もできる)。なおmixiの「足あと」機能はFacebookにはない。


さて、それぞれのトップ画面を開くと、友人の投稿がずらりと並ぶ。mixiが「日記」「つぶやき」「履歴」などと整理されて並んでいるのに対して、Facebookは真ん中の「ニュースフィード」に投稿された「近況」や「リンク」など全てが並ぶ。
mixiは元々、各々が「日記」を書き友人がコメントを残すのが中心なのに対し、Facebookは「近況」(mixiの「つぶやき」に近い)や「リンク」(友人に知らせたいURL)を書きこみ、それに友人がコメントや「いいね!」をつけていくのが中心だ(mixiも最近「イイネ!」を導入)。Facebook版「日記」は「ノート」で、投稿すると同じく「ニュースフィード」に並ぶが、利用頻度は低い(mixiでも「つぶやき」が導入後、利用者の「日記」を書く頻度が減っているとか……)。また、mixiでは趣味や気になるトピックは「コミュニティ」で扱うが、Facebookでは「ファンページ」で扱う。登録した「ファンページ」に投稿された情報も「ニュースフィード」に並ぶ。

全体的にmixiのほうが標準機能は豊富だが、Facebookにはオンラインの友人とチャットができる機能が備わっている。

トップ画面にある「mixiニュース」欄なども含め、mixi内で完結するほど豊富な機能が良く整理・分離されているので、mixiが事実上のポータルサイトになっている人も多いだろう。
対して、アプリで外部連携したり、ニュースは外部サイトのURLを貼りつけることで共有するFacebookは、自分が登録した友人の更新(近況や写真の投稿)や「ファンページ」に投稿された情報を収集するイメージだ。

友人の探し方については、共通の友人から探す点は同じだが、Facebookには自身のWebメールのアドレス帳から探し出す機能が備わっている。また、最近はOBや内定者などを探せる「コネクションサーチ」が導入され、就職活動に使おうとしている学生や企業も増えているようだ。

全体的にみると、Facebookのほうが機能がシンプルで、情報がオープンな感じだ。
mixiに慣れていると少し抵抗があるかもしれないが、逆に実名でオープンであることが信頼や安心につながる。当たり前のことだが、責任を持った良識ある利用が一層求められるわけだ。
Facebookでは当たり前だったメールアドレスから友人を見つける機能が、mixiでは利用者の反発を買ったのも、利用者の利用方法の認識の違いからだろう。

日本人ならやはり、昔からの友人や現在の同級生・同僚と仲間内で気楽で濃いコミュニケーションを取るのは、mixiのほうが便利。対して、外国人の友人や学校・ビジネス関係の人脈とのコミュニケーションは、Facebookが圧倒的に有利だ。
なお、Facebookとmixiをリンクするアプリもあるので、併用する場合は便利かもしれない。


そういえば数年前から、ブログ、2ちゃんねる、mixi、twitter(ツイッター)と、メディアが次々にネットのコミュニケーションツールを取り上げ、それぞれ社会現象のようになっている。その流れで「次はfacebook!」と”流行のブームに乗る”だけだったり、「mixiからfacebook(またはtwitter)に完全移行」したりするよりも、上手に併用するべきだと筆者は考えている。それぞれを特徴を活かして使い分け・使い続けてこそ、各サービスのメリットを享受できるわけだ。いずれにせよ”一時的な熱中”は時間の無駄なだけなのでご注意を。
(もがみ)