ボールでもなければ、よくある円盤型のフライングディスクともちょっと違う。遊具であり、スポーツでもある「リングビー」を楽しむ人の輪が少しずつ広がっている。


リングビーは、歯車の形をした厚さ2cm弱の平らなフライングディスク。従来のフライングディスクとの違いは、なんといっても遊び方が多彩なこと。基本の遊び方はリングビーを投げ合うキャッチボールならぬ「キャッチリングビー」だが、投げ方ひとつとっても、上から・下から・横から・斜めから、とさまざま。転がしてもよく、うまくいけば数十メートルも転がるから、ペットボトルなどをボーリング風に倒すのも楽しい。真ん中のミニリングは必ず取り外して使うが、それ自体も室内用や小さな子どもの遊具になる。

リングビーは神奈川県川崎市の三喜工業株式会社が2005年から製造・販売をスタート。
材料はすべて国産で、加工も国内。川崎市内の中小製造業者の製品を対象にした認定制度「川崎ものづくりブランド」にも選ばれている。

同社の川浪英喜さんに発売のきっかけを聞くと、
「家族みんなで遊べるものを作りたいという社長のアイディアで生まれたんです。公園では硬いボールを使った遊びが禁止されていることも多いですよね。バドミントンなどは風が強いと難しい。安全でかつ楽しく遊べるものはなんだろう? と考えて作りました」
素材はゴムスポンジなので、柔らかく当たっても痛くない。
それでいて、少々ひねったり、折ったりしても、まったくへこたれないほど丈夫。子どもも安心して遊べる。

そのため、ここ数年は、川崎市内や都内の小学校での採用も増えているという。安全性に加えて、技能差が少なく誰でも楽しめるのも理由のひとつ。
「昔に比べ、子どもたちの体力低下が問題になっています。運動好きの子どもを増やすには体育の授業は大切。
好きじゃない子を運動好きにさせるのが、全体の底上げにつながると考えています」
と川浪さん。2010年にベースボール型ゲームを簡単にした「リングビースローランゲーム」を考案したところ、小学生に大好評。授業に取り入れたところもある。

もちろん、大人も楽しい。実際に遊んでみたが、球技が苦手な私でも、すぐにそれなりに投げられるようになったし、いろいろな投げ方ができるから飽きない。100グラムと適度に投げ応えのある重さもいい。


同社では大人向けの正式競技も作るべく「リングビーで競技を作る会」を開催し、ルールを策定中。会は誰でも参加可能なので気軽に来てほしいとのこと。今後は5/26、6/14、6/28に開催予定だ(※詳細はこちら)。また、近くリングビーの協会も発足させるという。

カラーは、オレンジ(ブルー/ミニリングの色)、イエロー(オレンジ)、ブルー(イエロー)の3色あり、各1,680円(税込)。川崎市内のスポーツ用品店などのほか(※店舗一覧)、同社にもメールやFAXで注文できる(※購入方法)。


子どもから大人まで楽しめるリングビー。メジャーなスポーツの仲間入りする日も近いかも!?
(古屋江美子)