先日、平均年齢14.2歳のジャニーズ史上最年少グループ「Sexy Zone」がデビューすると報じられ、話題となった。

「久しぶりの正統派ジャニーズ」なんて声も多いが、ところで、よく聞く「ジャニーズ系」という言葉って、一般的にどんな意味で使われるのだろうか。


「ジャニーズ系=ジャニーズ事務所にいそう」として、「イケメン」程度の広い意味で使う人もけっこういるだろう。だが、近年は、「ライダーや戦隊出身者のほうがイケメン」なんて声もあるし……。

調べてみると、友人・知人、ネット上の声で挙がっていたのは、以下のような条件だった。
目鼻立ちがはっきりした美少年/中性的/正統派の美形/二重まぶたで目がキラキラ/爽やか/小柄で可愛い系などなど……。

だが、思えば、自分が子どもの頃などは、「ジャニーズ」といえば「バック転ができる」「運動神経が良い」イメージだった気がするけれど……。
そもそもこの言葉、いつ頃からどんなふうに使われてきたのだろうか。


「たのきんトリオや、シブがき隊の頃には、『ジャニーズ系』という言葉はなかったように思います。少年隊の頃は、『しょうゆ顔』『ソース顔』まっさかりで、東山紀之が『しょうゆ顔』代表と言われていましたし(1988年流行語大賞大衆賞)。光GENJIあたりからでは?」(ジャニーズに詳しいライター)

さらに、ジャニーズに詳しい編集者は、以下の推論を挙げてくれた。
「少年隊あたりまではそれぞれのグループが人気という認識はあっても『ジャニーズ』だからカッコいい、という認識が一般的にはなかったんじゃないでしょうか」
「この人はこの事務所で、ダレと一緒で」と意識することは、一般的にはあまりない人が多いもの。それと同様に、「ジャニーズ」という言葉自体、それほどお茶の間に浸透していなかったのでは? ということだ。
「その後、光GENJI、忍者、SMAP、TOKIOとデビューし、露出の機会が増えるなかで『次のジャニーズ事務所からのデビューは誰?』みたいな意識が生まれ、個別認識できない『ジャニーズJr.』という曖昧な存在が表に出てきたこともあって、ひとくくりに『ジャニーズ』となり、その中で“ジャニーズ系”というジャンルが生まれたのではないかと思います。
考えてみると、イケメン=ジャニーズ系ではないですよね」

ちなみに、いま、「ジャニーズ系」代表としてよく挙げられるのは、滝沢秀明、山下智久、Hey! Say! JUMP・山田涼介などの王子様系の「美少年」タイプが多いが……。
「昔のヒラヒラ衣装の影響もあったんでしょうか。時代に流されない美少年イメージ。そういうこともあって、私の思春期のころにはジャニーズ好き=ちょっと恥ずかしい、みたいな意識もあったように感じます」

今では衣装などもカッコよくなっているし、KAT-TUNあたりから「いまどき」になって、良い意味でも悪い意味でも、「普通にカッコいい」イメージになっているのかもしれない。
だが、前出のライターは言う。
「草なぎなどが『ジャニーズっぽくない』などと言われることも含め、ドラマもバラエティもできるSMAPの存在によって、『ジャニーズ』が世間に浸透したことも『ジャニーズ系』という言葉を定着させた部分もあるのでは?」

思えば、昔はお笑いにおいても「吉本新喜劇」という独立したジャンルを除き、「吉本興業」だの「人力舎」だの、所属事務所を意識することはあまりなかった気がする。

同様に、「ジャニーズ」というくくりの浸透やイメージの定着、多様化とともに、曖昧な「カッコいい(?)」意に広がっていったのかもしれません。
(田幸和歌子)