アメリカに住んでいる知人から、「スーパーで、『たけのこの里』をみつけたんだけど、どうも、『たけのこの里』っぽくなくて、ホントに『たけのこの里』なのか、調べてもらえないだろうか」という、意味不明な連絡を受けた。

詳しく事情を聞いてみたところ、彼は、スーパーのお菓子売り場を徘徊していたところ、
「チョココーンズ(CHOCOCONES)」というお菓子を見つけたのだそうだ。


そのお菓子は、「Meiji」という会社から販売されており、パッケージに書かれているお菓子は、まぎれもなく「たけのこの里」なのだが、「パッケージが、俺が知ってるたけのこの里とイメージが違う」というのである。

たけのこの里といえば、株式会社 明治が販売する、いわずと知れた国民的お菓子であり、のどかな山村風景が描かれた、ほのぼのしたパッケージがトレードマークになっている。ところが、「チョココーンズ」の場合、落ち着いた赤色をテーマカラーとした、エレガントな感じのパッケージになっているのである。たけのこの里の身に、一体何が起こったのだろうか?

株式会社 明治に問い合わせてみたところ、「『たけのこの里』は、日本では主に10〜20代の若い方に買っていただいておりますが、アメリカでは20代の大人を主なターゲットにしており、ファッショナブルで格好よいパッケージを企画した経緯があります」とのこと。

日本の製品が外国で販売される際、製品名が変わることがたまにある。例えばトヨタの自動車「ヴィッツ(Vitz)」は、外国では「ヤリス(Yaris)」という名前で販売されているし、名作アニメ「宇宙戦艦ヤマト」は、北米では「スターブレイザーズ(Star Blazers)」という名前で放映されていた。
「たけのこの里」の場合、名前に加えて、ターゲット層も変わった結果、エレガントな感じに仕上がっているようである。

「たけのこの里」の永遠のライバルである「きのこの山」は、アメリカにおいては「チョコルームズ(CHOCOROOMS)」という名前で販売されているが、これもチョココーンズ同様、赤を主体としたエレガントなパッケージとなっている。

このように、名前とパッケージは違うが、「日本で製造したものをアメリカに輸出しておりますので、中身は『たけのこの里』『きのこの山』です」とのことであり、知人にそれを伝えたところ、「日本のお菓子に飢えていたので超嬉しい」とのことであった。

ちなみに、これらアメリカ版「たけのこの里」「きのこの山」のアメリカでの評判を、アマゾン・ドット・コムのレビューで見てみると、「一つ一つが小さいので、子供のおやつにちょうどよい」「きのこが嫌いな子供に見せてびっくりさせたりしている」など、日本同様、子供受けもなかなか良いようであり、日本のパッケージでもわりといけるのではないか、とも思った。
(エクソシスト太郎)