かつて、ある女性にティファニーのネックレスをプレゼントしたことがある。確か、それなりの値段だったと思う。
そして、その後。その女性がネックレスを着けてる場面に遭遇したことはなかった。
きっと、家で大切に保管していたのだろう。そう思わなきゃ、やってられない。

ところで、田中貴金属工業が興味深い調査を行っている。その名も「日本に眠る貴金属に関する意識調査」。
自宅で眠らせている貴金属ジュエリーの存在を思い起こしてもらい、その価値に気付いてもらう「眠れる輝き、発掘プロジェクト」の一環らしい。

では、見ていこう。まず「持っているが使用していない貴金属ジュエリーの有無」について質問すると、なんと約80%の女性が「ある」と回答している。また、その種類は1位「指輪」、2位「ネックレス」、3位「ピアス・イヤリング」という結果となった。
そして、それらの結果にもっと鋭い突っ込みを入れてみた。金・銀・プラチナの種類と個数について聞き出し、算出したのだ。
すると、日本全国で使用されずに眠る貴金属ジュエリーの総額は、推定1,655,061,715,732(約1兆6550億)円に!! 東京タワーの総工費に換算すると、約550塔分に匹敵する金額だそうだ。もう果てしな過ぎて、座りションベンしてしまいそうだよ。なんなの、このお宝列島は……。

じゃあ、少し角度を変えてみたい。使用していない貴金属ジュエリーが「ある」と回答した女性の割合を、エリア別で見てみたのだ。すると、九州が88.7%で一番多く、続いて関西(79.7%)、中部(76.4%)という順番になり、九州エリアは他エリアに比べて約10%割合が高い結果となっていたのだ。
使用されていない貴金属ジュエリーが最も眠る地域は、九州です。

そして“使用していない貴金属ジュエリーが「ある」と回答した女性”に限定し、今度はその内容を確認。すると、「片方しか持っていないピアス・イヤリング」を選択した人は、約40%。
さらにその個数を尋ね、日本全国の女性の数で換算してみた。……驚きです。合計推定26,275,365(約2628万)個のピアス・イヤリングが、片方だけになって使用されずに眠っていることになるというのだから。
きっと使う予定もないだろうし、いやはや勿体無い限りで。

では、“使用していない貴金属ジュエリーが「ある」と回答した女性”に限定し、「使用していない理由」について問い質してみました。結果、「デザインが古い」(1位)、「存在を忘れていた」(2位)、「片方なくした(ピアス・イヤリング)」(3位)といった理由が挙げられている。
また「使用していない貴金属ジュエリーで一番古いものは何年以上前のものですか?」という質問では、約6割の女性が10年以上使用していない貴金属ジュエリーを持っていることが明らかとなった。
使用していない理由と合わせてみても、使用されていない貴金属ジュエリーは今後使われることはなさそうだな……。また、長年使用しない貴金属ジュエリーを持つ女性の割合が高い理由もうかがえました。


続いて今度は、ジュエリー貴金属を失くした経験のある女性に「片方だけ失くしたピアス・イヤリングの個数」を質問。ここでは、1人あたり平均2.23個のピアス・イヤリングを失くしていることがわかっている。
これを日本全国の20~60代女性の人口で換算すると、全国にはセットになっていないピアス・イヤリングは合計推定90,843,510(約9084万)個あることになるという。なんだか、立ち眩みがしてきたな……。

そして、これを一番聞きたかった。貴金属ジュエリーを失くした経験のある女性に対し、「失くした貴金属ジュエリーは誰から貰ったものか」という質問をぶつけたのです。
結果、1位「自分で購入」(66.9%)、2位「配偶者」(19.2%)、3位「恋人」(16.5%)、4位「親」(13.7%)というランキングに。
どうやら「恋人」または「配偶者」と回答した人は日本人女性の約16.5%のようで、約6人に1人の女性が「恋人・配偶者からプレゼントされたジュエリー貴金属を失くした経験がある」ことが明らかになりました。
また“プレゼントされたジュエリー貴金属を失くした経験のある女性”のうち、約6割がプレゼントした人に失くしたことを内緒にしており、これは日本人女性全体の約6.6人に1人に当たることになる。さらに、失くしたプレゼントと同じものを自分で買い直した経験のある女性は、“プレゼントされたジュエリー貴金属を失くした経験のある女性”のうち10.4%いたそうだ。

あんな高価なもの、私だったら然るべき場所に大切に保管してしまうだろうけど、さすが女性。我々(男)とは、生き物として違う。
その積み重ねが、推定1,655,061,715,732円(日本全国で使用されずに眠る貴金属ジュエリーの総額)です。
(寺西ジャジューカ)